がんの性質に合わせた個別化医療の実現へ
がん中央クリニックグループでは、RNA干渉に加え、アプタマーやmiRNA mimic など、作用の仕組みが異なる核酸医薬が新たに加わりました。複数の種類の核酸医薬を備えることで、標的とできる分子の幅が広がり、より多様ながんの性質に合わせた治療設計やご提案が可能になっています。
POINT核酸医薬
×
個別化医療therapeutic protein
多様な核酸医薬により、個別化した治療の選択が可能に
がん中央クリニックグループでは、複数の核酸医薬を扱っており、それぞれが異なる遺伝子やたんぱく質を標的としています。これにより、患者様のがんが持つ性質に合わせて、必要な作用をもつ核酸医薬を組み合わせた治療が可能になりました。 多くの選択肢を活かすことで、より個々の状態に合わせた治療設計をご提案、ご提供できるようになっています。
9種類の核酸医薬についてAbout treatment
核酸医薬
- MUC1 isoform Y
(ムチン) - Heparanase
(ヘパラナーゼ) - Nucleolin
(ヌクレオリン) - CDC6 siRNA
- MDM2 siRNA
- CDK4 siRNA
- KRAS siRNA
- ガンキリン
((PMSD10)siRNA - miRNA-34a mimic
核酸医薬とは
RNAやDNAでがん細胞の中で起きている異常な働きに直接アプローチする新しい治療技術です。がんは、細胞が増え続けるための指令が乱れたり、本来備わっているはずの“増えすぎを抑える仕組み”が弱くなることで生じます。核酸医薬は、このような異常な遺伝子やたんぱく質の働きを整え、がん細胞の増殖を抑えたり、がん細胞の正常な自然死(アポトーシス)を取り戻すことを目的としています。
従来の薬剤では届きにくかった細胞内部のシグナルや遺伝子レベルの調整が可能になったことで、世界的にも研究と開発が急速に進んでいる分野です。体質やがんの性質に合わせて狙う場所を選べること、正常細胞への影響を比較的少なく抑えられる可能性があることから、次世代のがん治療として注目されています。
個別化医療のこれからpersonalized medicine
近年のがん治療は、「どの臓器にできたがんか」だけでなく、「そのがん細胞がどのような遺伝子の特徴を持っているか」を基準に治療を選ぶ方向へ大きく変化しています。これはプレシジョン・メディシン(個別化医療)やゲノム医療と呼ばれ、世界的にも主流となりつつある考え方です。
例えば、HER2という遺伝子の特徴をもとに治療法を選択するように、遺伝子の”性質”に基づいて最適な治療を組み立てる技術が進歩しています。従来は臓器ごとに決まった治療を行うことが一般的でしたが、今では、がん細胞が持つ分子情報を詳細に調べることで、より個々の患者様に合った治療選択が可能になっています。
がん中央クリニックグループでは、この考え方に基づき、統計学的な遺伝子情報や蓄積されたデータ解析を活用し、患者様ごとのがんの性質に合わせた治療提案を行っています。
その中でも、特定の遺伝子やたんぱく質の働きを調整することができる核酸医薬は、個別化医療と非常に相性がよく、がん治療における重要な選択肢のひとつとなっています。
がん中央グループでは統計学的データに基づいて、患者様のがんが持つ性質に合わせた核酸医薬の組み合わせを提案する個別化医療を実践しています。9種類の核酸医薬の中から患者様のがんの性質にあった組み合わせを選択し、一人ひとりのがんに合わせたオーダーメイドの治療を提案させていただいております。