- 原発不明がんは寛解を見込める疾患である
- 原発不明がんの治療法は、がん治療の中でも特殊
- 実施できる化学療法には制限がある
「がんが見つかったのに、どこから始まったのか分からない」――。
そんな状態で診断されるのが「原発不明がん」です。聞き慣れない名前かもしれませんが、実は毎年1万人ほどが発症しています。ここでは、原発不明がんの基本的な知識と、治療や寛解の可能性についてお伝えします。
原発不明がんとは

原発不明がん(Cancer of Unknown Primary [CUP])とは、その名前の通り、「体のどの部位からがんが発生したのかが分からないがん」のことです。
通常、がんは特定の臓器や組織から発生し、その後他の臓器やリンパ節、組織に転移することが多いです。
しかし、原発不明がんでは、体のどこかにがんの転移が発見されているのに、その元(原発巣)がどこにあるのか検査をしても確定できない状態になっています。日本国内では年間約1万人に発生していると報告されており、がん全体の中でも比較的珍しいがんです。
原発不明がんの症状
がんの転移先の状態によって様々な症状が現れます。
比較的よくみられる症状として、原因不明の体重減少、倦怠感、微熱、食欲不振、体の痛みなどがあります。ただし、初期症状としては何もなく、進行してから現れる場合が多いです。
そのため、病院を受診する時にはかなり病気が悪化していることもあります。
原発不明がんの原因
原発不明がんが発生する原因として、主に「遺伝子変異」があげられます。
遺伝子とは、細胞を作るための情報がつまった部位ですが、この遺伝子が異常になると遺伝子変異が起こり、原発不明がんを発症すると報告されています。
特に、「TP53」の変異率は原発不明がんの遺伝子変異の中で最も高く、約60%とも報告されています。
原発不明がんの診断
原発不明がんの診断方法は、まずは体中のどこにも元々のがんがないことを調べることが必要です。
つまり、全身をくまなく調べる検査を行います。具体的には、腫瘍マーカーなどの血液検査、CT検査・MRI検査・PET検査・超音波検査などの画像検査、転移したがんの組織の特徴を顕微鏡にて調べる病理検査、がんの遺伝子変異や特徴を調べるがんゲノムプロファイリング検査(遺伝子診断)などがあります。
患者様の状態によって実施すべき検査が異なりますので、具体的には主治医の先生と相談して検査内容や種類を決定していくのがおすすめです。
原発不明がんの一般的な治療法
原発不明がんの治療法は、がん治療の中でも特殊です。
一般的ながんであれば、大腸がんや乳がんなど、がんの種類によって治療方針がガイドラインにて決まっています。しかし、原発不明がんに関しては、患者様のがん細胞の種類や特徴によって治療方針が異なります。
原発不明がんの中には、明らかな原発巣は分からなくてもある程度推定できるタイプがあります。
例えば、前立腺がん、乳がん、卵巣がんなどによく似ている特徴があるがんの場合です。このような種類の原発不明がんは、想定されるがん種に応じて、化学療法などの薬物療法や外科手術、放射線療法などが行われ、比較的治療効果が期待できるため、「予後良好群」と呼ばれます。
原発不明がんの患者様の約15~20%が予後良好群に分類されます。ただし、予後良好な患者様でさえ、平均生存期間は約2~3年と報告されています。
一方で、原発巣が推定できないような原発不明がんの場合、かなり予後は悪化してしまうため「予後不良群」と呼ばれます。80%以上の原発不明がんの患者様はこちらに分類され、平均生存期間は、約7ヶ月と言われています。予後不良群の患者様には、化学療法などの薬物治療が行われることが多いです。
以上のように、原発不明がんは、予後不良群はもちろんのこと、予後良好群だとしても平均生存期間が短く、難治性のがんだということが分かります。
参考:
原発不明がんにおいて予後良好群を確実に抽出することの意義|小野薬品工業株式会社
原発不明がん|NCCN
原発不明がんは寛解が見込める疾患
原発不明がんは寛解を見込める疾患です。原発不明がんが発見された時にはすでに転移を起こしている状態であるため、いわゆる進行がんの状態ではありますが、様々な薬物療法や手術、放射線療法などを組み合わせることで治癒も十分に期待できます。
また当院では、患者様の状態や目的に応じて、核酸医薬(アプタマー、RNA干渉、miRNA mimic)を治療計画の一部としてご提案しています。ぜひ一度お問い合わせください。
原発不明がんにおける保険診療の限界
原発不明がんに対する保険診療には、化学療法や手術、放射線療法などがあります。
手術法の発達や化学療法・放射線療法の進歩といった医療界の発展により原発不明がんの治療法が発展してきましたが、保険診療では治療が困難な場合もあります。
実施できる化学療法の制限
保険診療では使用できる抗がん剤の数に制限があります。
原発不明がんではがん細胞のタイプに合わせて様々な抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを使い分けます。しかし、多くの場合、3~4種類程度しか有効な薬物療法はありません。
そのため、使用できる薬物を使い切った場合、もしくは体に合わない場合には、選択できる薬剤や治療はもう存在しないと医師から言われてしまいます。
また、1個の新しい抗がん剤などの薬物が開発されるまでには10~20年かかると言われています。
化学療法の「きつい」副作用
化学療法では抗がん剤などを用いますが、その副作用は抗がん剤の種類や患者様により個人差があります。
抗がん剤などの一般的な副作用は、嘔気、食欲不振、下痢、手足のしびれ、倦怠感、発疹、貧血、高血圧、脱毛などです。また、使用する薬物療法の種類によっては、命に関わる合併症や副作用が起きるケースもあり、注意が必要です。
患者様の中には、最初は問題なくても副作用がきつく続けられないと感じる方もいらっしゃいます。また、頑張って化学療法を続けていても副作用のせいで日常生活が楽しく送れずに気分が落ち込む患者様もいらっしゃいます。
最新の治療アプローチとして核酸医薬の導入
原発不明がんは遺伝子変異が関与すると報告されており、分子レベルの異常に着目した治療アプローチの一つが核酸医薬です。核酸医薬には、標的タンパク質に結合して働きを抑えるアプタマー、特定の遺伝子発現を抑えるRNA干渉、体内の抑制機構を補うmiRNA mimic などがあります。
保険診療では「治療方法がない」方も治療可能
原発不明がんに対する核酸医薬は保険診療ではなく自由診療(保険外診療)であるため、保険診療ではもう治療方法がない、と言われた患者様でも実施できます。
がん中央クリニックグループのクリニックでは原発不明がんの患者様1人ひとりに合わせてテーラーメイドのがん治療を提供、提案します。
保険診療と組み合わせた治療設計
核酸医薬は、標準治療(保険診療)と組み合わせて検討し得る治療アプローチの一つです。保険診療の薬物療法は、すでに産生された細胞やタンパク質の働きを抑えることで治療効果を狙います。一方、核酸医薬は、タンパク質が作られる前段階の遺伝子発現や分子レベルの制御機構に働きかけることを狙う点が特徴です。作用点の考え方が異なるため、当院では患者様の状況に応じて、標準治療と組み合わせた治療設計も含めてご提案しています。
治療継続可能な副作用
核酸医薬は目立った副作用が起こりにくいです。特に、化学療法で起きやすい嘔気、食欲不振、倦怠感、脱毛、貧血、命に関わる副作用などはほとんど起こりません。
核酸医薬の副作用としては、一時的な微熱、血圧上昇、顔の紅潮、アレルギー反応(0.3%以下)などがあります。解熱剤など薬物を使う場合もありますが、自然と改善する副作用が大半であり、治療を継続するのに支障をきたしません。
核酸医薬をオススメする患者様
どのような患者様に効果が期待できるのかを以下に具体的に解説します。ぜひご自身のパターンに合わせて核酸医薬をご検討ください。
原発不明がんに対して薬物治療中や放射線療法中の患者様
核酸医薬は、抗がん剤治療などの薬物治療や放射線療法などの標準治療を行っている患者様でも、治療の選択肢を広げる観点から併用を含めてご相談いただける治療アプローチの一つです。
がんは放置すると進行するため、状況に応じて作用点の異なる治療手段を組み合わせ、腫瘍の縮小を目指していくことが重要です。
保険治療では治療困難な患者様
原発不明がんに対する核酸医薬は、保険診療ではなく自由診療(保険外診療)であるため、保険診療で治療法がない、と言われた患者様でも実施できます。
がん中央クリニックグループのクリニックでは患者様1人ひとりに合わせたテーラーメイドのがん治療を提供しています。
また、核酸医薬では目立った副作用が現れません。そのため、当グループのクリニックへ通院さえ可能であればどのような方でも治療可能です。
例えば、「体力がないため抗がん剤はできません」などと説明された方でもがん中央クリニックの治療は可能です。通院が困難な方には訪問治療も可能な場合もあります。詳しくは一度下記の無料相談窓口へお問い合わせ、お電話ください。
原発不明がんの寛解を目指して保険診療と患者様に合った自由診療を組み合わせるのがおすすめ
原発不明がんは寛解を目指せる疾患であり、適切に治療を行うことが重要です。
原発不明がんは主に遺伝子異常が原因で発症する疾患であり、保険診療と自由診療を組み合わせたり、保険診療ではカバーできない場合には核酸医薬を行うことで腫瘍縮小効果などを狙う治療計画を提案することも可能です。
がん中央クリニックグループのクリニックでは核酸医薬をはじめ、患者様1人ひとりに合ったがんの自由診療を提案いたします。原発不明がんの患者様は、どのような状況の場合でも是非お気軽にご相談ください。