肺扁平上皮癌(はいへんぺいじょうひがん / lung squamous cell carcinoma)は、非小細胞肺がんに分類される代表的な組織型のひとつで、肺腺がんに次いで頻度が高く、非小細胞肺がん全体の約25〜30%を占めるとされています。喫煙との関連が特に強く、喫煙歴のある男性に多い疾患です。
肺の中心部(気管支付近)に発生しやすいため、初期から咳や血痰がみられることがあるほか、進行すると胸痛、息切れ、体重減少などが出現します。本ページでは、肺扁平上皮癌の特徴や原因、症状、診断(画像検査・病理検査・免疫染色)、そして治療の選択肢についてわかりやすく解説します。
治療を検討されている方やご家族が、いまの状況に合う選択肢を整理し、納得のいく方針を考えるための一助となれば幸いです。
- 非小細胞肺がんの中で2番目に多い組織型で、喫煙との関連が強い
- 気管支鏡検査や画像検査で腫瘤を確認し、病理検査、免疫染色で確定
- PD-L1阻害薬などが有効なケースが多く、治療選択の鍵となる
肺扁平上皮癌とは
肺扁平上皮癌は、肺にできる悪性腫瘍(肺がん)のうち、非小細胞肺がんに分類される代表的な組織型の一つです。肺原発悪性腫瘍全体の約30%程度を占め、一般的な肺腺がんと並んで比較的頻度の高い肺がんです。特に喫煙歴のある女性に多い疾患です。
肺扁平上皮癌は、肺の気管支の中心部(肺門部)に発生することが多く、比較的ゆっくり進行する傾向がありますが、進行すると周囲組織への浸潤や転移を来すことがあります。腺がんに比べると遠隔転移はやや遅いとされる一方、局所での増大や気道閉塞による症状が問題となることがあります。
初期には無症状のことが多いですが、病変が大きくなるにつれて、咳、血痰、胸痛、呼吸困難、発熱、体重減少、全身倦怠感などが出現します。特に気道に近い場所にできるため、血痰や咳が比較的早い段階からみられることがあります。がん検診などで早期に切除できる段階で見つかれば根治を目指せる一方、進行例では治療が難しくなることがあります。
肺扁平上皮癌の原因
肺扁平上皮癌は、他の肺がんと同様に、主に喫煙(タバコ)が強く関与しているとされています。長期間の喫煙により、肺の通り道の細胞が繰り返し刺激され弱っていくことで、がん化が進むと考えられています。
また、このがんでは、細胞の増殖や分化に関わる遺伝子の異常が関係しています。例えば、TP53遺伝子やPI3K経路の異常などが報告されています。また頻度は低いですが、KRAS遺伝子異常、EGFR遺伝子異常が見られる場合もあります。
そのため、日本の専門学会(日本肺癌学会)が発行する診療ガイドラインでも、肺扁平上皮がんでは遺伝子異常の頻度や種類を踏まえた検査・治療選択が推奨されています。
肺扁平上皮がんの診断
肺扁平上皮癌は、病院にて画像検査、病理検査、免疫染色などを組み合わせて診断します。
まず胸部X線(レントゲン検査)や胸部CTで肺腫瘤の有無や大きさ、周囲組織への浸潤を確認します。必要に応じてPET-CTや頭部MRIなどを行い、リンパ節転移や遠隔転移の有無を評価して病期(ステージ)を決定します。
肺扁平上皮癌を確定するためには、がんの組織を採取して詳しく調べる「病理検査」が重要です。具体的には、気管支鏡検査で組織を採取することが多く、中心部に発生しやすい特徴から比較的検体が得られやすい場合もあります。
さらに、「免疫染色」により、扁平上皮由来であることを確認し、他の肺がんや転移性腫瘍との鑑別を行います。
また、進行例ではPD-L1発現の評価などを行い、免疫療法の適応を検討します。
肺扁平上皮癌の一般的な治療法
肺扁平上皮癌の治療は、がんの進み具合(ステージ)や体の状態、遺伝子の変化・特徴などをもとに医師と相談して決めます。
基本的には一般的な肺がん(非小細胞肺がん)と同じような治療が行われますが、治療の中心は手術、化学療法、免疫療法、放射線療法となります。
早期の場合(まだ広がっていない場合)
がんを取りきれる状態であれば、手術が最も重要な治療です。肺の一部を切除し、周囲のリンパ節もあわせて取り除きます。
特に肺扁平上皮がんは肺の中心部(気管支付近)に発生することが多いため、腫瘍の位置や広がりによっては、肺の一部または片側すべてを切除する手術が必要になることもあります。
進行している場合・再発した場合
手術が難しい場合は、従来の抗がん剤(プラチナ製剤+タキサン系など)や分子標的薬による治療が基本となりますが、腫瘍が縮小する割合は約20〜30%程度にとどまり、予後(治療を始めてから亡くなるまでの期間)は約6〜9か月前後と報告されています。
そのため、発見されてからできるだけ早く治療を開始することが重要です。なお、肺扁平上皮がんでは、免疫療法が有効なケースが多いとされています。
放射線治療について
放射線治療は、がんの広がりを抑えたり、症状を和らげたりする目的で放射線を照射する治療です。
肺扁平上皮がんは気管支周囲の中心部に発生することが多いため、放射線による周囲臓器(気管、食道、大血管)への影響も考慮しなければなりません。なお、化学放射線療法といって、化学療法と放射線治療を同時に実施する場合もあります。
肺扁平上皮がんにおける保険診療の限界
肺扁平上皮がんに対する保険診療では、手術、化学療法、免疫療法、放射線療法などが行われます。
しかし、進行例や再発例においては、これらの標準治療のみでは十分な効果が得られにくい場合があるのが現状です。
実施できる化学療法の限界
肺扁平上皮がんでは、プラチナ製剤を中心とした標準的な抗がん剤治療が確立されていますが、進行すると、腫瘍が十分に縮小しにくかったり、長い目でみると病勢が抑えられない場合も多くみられます。
化学療法に伴う「きつい」副作用
肺扁平上皮がんに対する薬物療法では、プラチナ製剤やエトポシドといった従来の薬物や、免疫療法(PD-1/PD-L1阻害薬)が使用されます。使用するレジメン(薬物の組み合わせ)によって、食欲不振、吐き気、倦怠感、骨髄抑制、しびれ、皮疹などの副作用が起こりえます。
さらに、免疫療法では免疫関連有害事象に注意が必要です。治療効果と副作用のバランスを慎重に見ながら進める必要があります。一般的な肺癌治療と同様、患者さんの体力や併存症によっては、十分な治療強度を保てない上に、日常生活が苦しくなる場合があるため、治療効果だけでなく、生活の質とのバランスを十分に考慮しながら治療を進めていくことが重要です。
当グループでは、このPD-L1に対して外側からの無力化と内側からのmRNA分解を同時に行う「ハイブリッド免疫療法」も提供しています。
保険診療ではカバーしきれない再発・進行のリスク
肺扁平上皮がんは完全切除した場合でも、術後5年以内の再発率が約30〜60%程度と報告されています。
肺扁平上皮がんは肺の中心部に発生することが多いため、肺内での再発や気道周囲への進展が問題となることも少なくありません。そのため、定期的な画像検査(CTなど)などが必要です。
肺扁平上皮がんで重要な新しい治療の考え方
肺扁平上皮がんでは、現時点で重要なのは、「遺伝子異常の有無を調べること」と「免疫療法の適応を評価すること」です。
特にTP53遺伝子やPI3K経路の異常は比較的高頻度とされ、標的治療の候補となりえます。
また、肺扁平上皮がんではPD-L1高発現例が比較的多いことが報告されており、免疫チェックポイント阻害薬が有効となる可能性があります。ただし、すべての症例で有効とは限らず、遺伝子異常、全身状態、腫瘍量などを総合して判断する必要があります。
肺肉腫様癌で重要な新しい治療の考え方
近年、肺扁平上皮がんでは、発症や進行に関わる分子レベルの異常に着目した核酸医薬が注目され、研究・臨床応用が進んでいます。
その中でも特に当院では、根本的な原因に直接作用することが期待される「アプタマー」「RNA干渉を利用した核酸医薬(siRNA など)」「miR-34a mimic」といった核酸医薬を、新たな治療の選択肢として提供しています。
アプタマー核酸医薬は、がんに特有に発現している異常なタンパク質に結合することで、その働きを抑えてがん細胞の増殖を抑制したり死滅させたりする次世代の治療薬です。
miR-34a mimic 核酸医薬は、がんになって失われた体に本来備わる「がんを抑える力」を取り戻す新しい治療薬であり、がんの成長や増殖を止め、自然ながん細胞の死滅を促します。
以上のような遺伝子レベルでの最新の治療薬をがん中央クリニックグループのクリニックでは実施できます。
欧米では、がんの部位ではなくどのような遺伝子やタンパク質異常があるか、ということに注目して治療法を決定する研究や臨床試験が行われています。日本では一部の遺伝子レベルの治療が保険でも行われていますが、国際的には遺伝子レベルの治療において遅れを取っています。
がん中央クリニックグループのクリニックではいち早く遺伝子レベルの異常に焦点をあてた診察・治療を導入しています。
核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)による治療を推奨する患者様
「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は肺扁平上皮がんのほとんどの患者様におすすめできる治療法です。
どのような患者様に効果が期待できるのかを以下に具体的に解説します。ぜひご自身のパターンに合わせてがん遺伝子治療をご検討ください。
治療方法がない、標準治療では治療困難な患者様へ
肺扁平上皮がんでは、病状や体力、副作用などの理由で、保険診療の標準治療だけでは選択肢が限られることがあります。そうした場合でも、がんに関わる分子レベルの異常に着目する核酸医薬は、標準治療とは異なるアプローチで治療を提供することが可能です。
核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)は目立った副作用が現れにくく、「体力がないため抗がん剤はできません」などと説明された方でも、治療の提案が可能です。
さらに、まだ治療ができる体力があるにもかかわらず選択肢がなくなり、緩和を勧められている方にとっても、新たな治療の選択肢として検討いただけます。
がん中央クリニックグループでは、核酸医薬を含め、様々な治療を組み合わせながら患者様の状態や疾患に応じて、患者様一人ひとりに合わせたテーラーメイドの核酸医薬による治療を提案、提供しています。
保険診療(標準治療)との併用で相乗効果が期待
「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は、肺扁平上皮がんへの化学療法などの薬物療法や放射線療法と併用でき、治療効果として相乗効果が期待できます。
なぜなら、化学療法は産生された肺扁平上皮がんの細胞やたんぱく質に作用しますが、核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)は、がん細胞やたんぱく質が産生される前段階に作用するため、肺扁平上皮がんの細胞に対して作用するポイントが異なるからです。
そのため、核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)は、抗がん剤治療などの薬物治療や放射線療法といった標準治療を行っている患者様におすすめできる治療法です。肺扁平上皮がんの症例では、手術前や手術後も抗がん剤治療を行う場合がありますが、そのような患者様にもおすすめできます。
がんは放置していると大きくなっていくため、肺扁平上皮がんでは様々な治療法を組み合わせてがんを小さくすることが重要です。標準治療に加えて核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)を併用することで、異なる治療手段から肺扁平上皮がんの縮小を目指すことができます。
肺扁平上皮がん完治を目指すためには様々な治療法を組み合わせて治療を行うことが重要です。
再発を抑制、防止するため。手術前後のすべての患者様
肺扁平上皮がんが発見され手術を行った場合、5年以内に約30~60%の患者様が再発すると報告されています。
保険診療ではこの高確率での再発予防目的に、術前化学療法や術後補助化学療法という抗がん剤治療が勧められるケースがあります。しかし、肺扁平上皮がんには抗がん剤の効果が比較的乏しい上に、抗がん剤治療には副作用もあるため、体力があまり無い高齢の患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。
したがって、肺扁平上皮がん手術前後のあらゆる患者様は核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)を併用し、再発する可能性を少しでも低くすることが重要と言えます。
治療継続可能な副作用
核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)には目立った副作用が起こりにくいです。特に、化学療法で起きやすい嘔気、食欲不振、倦怠感、脱毛、貧血、命に関わる副作用などはほとんど起こりません。遺伝子治療の副作用としては、一時的な微熱、頭痛、アレルギー反応(0.3%以下)などがあります。解熱鎮痛剤など薬物を使う場合もありますが、自然と改善する副作用が大半であり、治療を継続するのに支障をきたしません。
「体力面や仕事面で副作用の不安がある」「標準治療を続けながら副作用をできるかぎり抑えたい」といった方でも受けていただける治療となっております。
肺扁平上皮がんの完治を目指して保険診療と患者様に合った自由診療を組み合わせるのがおすすめ
肺扁平上皮がんは完治(治癒)を目指せる疾患であり、適切に治療を行うことが重要です。
肺扁平上皮がんの発症要因の1つとして遺伝子異常があるため、保険診療と核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)を組み合わせることがおすすめです。
保険診療ではカバーできない場合には、核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)を行うことで腫瘍縮小効果や再発抑制効果などが期待できます。
がん中央クリニックグループのクリニックではこのような「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」をはじめ、患者様1人ひとりに合ったがんの自由診療を提案いたします。肺扁平上皮がんの患者様は、どのような状況の場合でも是非お気軽にご相談ください。
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