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主要ながん 2026.7.1

前立腺がんとは?初期症状・PSA検査・ステージ・治療法・生存率を解説

前立腺がんの主なリスクや症状、検査から診断、ステージ別分類や治療方法の選択について

前立腺がんは、男性の膀胱の下にある前立腺に発生するがんです。日本では2023年に102,094例が新たに診断され、男性の部位別がん罹患数では1位となっています。2023年のデータに基づく生涯罹患リスクは11.2%で、男性のおよそ9人に1人が一生のうちに前立腺がんと診断される計算です。

一方で、前立腺がんはすべてが同じ速さで進行する病気ではありません。長期間ほとんど変化せず、すぐには治療を必要としないがんがある一方、前立腺の外へ広がったり、リンパ節や骨などへ転移したりするがんもあります。そのため、前立腺がんと診断された後は「がんがあるかどうか」だけではなく、どこまで広がっているのか、どの程度悪性度が高いのか、今すぐ治療が必要なのかを確認することが重要です。

診断ではPSA(前立腺特異抗原)検査、MRI、前立腺生検などを組み合わせ、病期(ステージ)とリスク分類を評価します。治療には監視療法、手術、放射線治療、ホルモン療法を含む薬物療法などがあり、年齢や健康状態だけでなく、排尿機能や性機能など治療後の生活も考えて選択します。

この記事では、前立腺がんの初期症状、原因・リスク、PSA検査、診断、ステージ、治療法、副作用、再発、ステージ別生存率まで、2026年時点の情報をもとに解説します。

参考:国立がん研究センター「がん統計 前立腺」、国立がん研究センター「最新がん統計」

前立腺がんとは

前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲むような形をしています。前立腺液を分泌して精液の一部をつくる役割があり、前立腺液には腫瘍マーカーとして利用されるPSAというタンパク質も含まれています。

前立腺がんは、この前立腺の細胞が異常に増殖することで発生します。多くは腺がんで、比較的ゆっくり進行するものが多い一方、悪性度が高く早い段階から前立腺の外へ広がるがんもあります。

初期には症状が出にくい

前立腺がんは、早期では自覚症状がほとんどないことが特徴です。前立腺がんが発生しやすい部位は尿道から離れた前立腺の外側であるため、がんが小さい段階では尿道を圧迫しにくいことが理由の1つです。

一方、前立腺肥大症は尿道に近い部分が大きくなりやすいため、頻尿や尿の出にくさなどが目立ちます。前立腺肥大症と前立腺がんは別の病気であり、肥大症がそのままがんへ変化するわけではありませんが、両方が同時に存在することはあります。

進行速度は患者ごとに大きく異なる

前立腺がんでは、診断されても長期間ほとんど進行しない低リスクがんがあります。このような場合には、すぐに手術や放射線治療を行わず、定期検査を続けながら必要になった時点で治療へ切り替える監視療法が標準的な選択肢になります。

一方、悪性度の高いがんでは前立腺の外へ浸潤し、リンパ節や骨などへ転移する可能性があります。そのため治療の必要性を判断するときには、腫瘍の大きさだけではなく、ステージ、PSA値、グリーソンスコア、グレードグループなどを組み合わせて評価します。

参考:国立がん研究センター「前立腺がんについて」

前立腺がんの原因とリスク

前立腺がんが発生する原因を、一人ひとりの患者について特定することは通常できません。一方、発症リスクとの関連が比較的明確に確認されている要因として、高年齢と前立腺がんの家族歴があります。

前立腺がんは年齢とともに増加し、特に高齢男性で多く診断されます。また、父親や兄弟など血縁者に前立腺がんになった人がいる場合には、家族歴がない人より発症リスクが高くなることが知られています。

遺伝的要因が関係する場合がある

一部の前立腺がんでは、BRCA2をはじめとする遺伝子の病的変化が関係することがあります。家族内に前立腺がん、乳がん、卵巣がん、膵がんなどを発症した人が複数いる場合や、比較的若い年齢で前立腺がんを発症した場合などには、遺伝的背景を考慮することがあります。

遺伝子検査は発症原因を調べるだけではなく、進行した前立腺がんで使用する薬を選ぶために行われる場合もあります。家族への影響を伴う生殖細胞系列の検査では、必要に応じて遺伝カウンセリングも含めて検討します。

食事・肥満・喫煙などとの関係は研究段階のものも多い

肥満、食事内容、カルシウム摂取、喫煙などと前立腺がんとの関係について多くの研究がありますが、国立がん研究センターは、高年齢や家族歴のように明らかな発生要因とは位置づけていません。

したがって、「食生活が欧米化したから前立腺がんになった」「特定の食品を避ければ前立腺がんを予防できる」と単純に考えることは適切ではありません。禁煙、節度ある飲酒、バランスのよい食事、運動、適正体重の維持はがん全般や生活習慣病の予防には重要ですが、前立腺がんだけを確実に防ぐ方法は確立されていません。

前立腺がんの検診について

PSA検査は前立腺がんを見つけるうえで重要な検査ですが、日本では前立腺がんは国が指針として定める対策型がん検診の対象にはなっていません。自治体、職場、人間ドックなどでPSA検査を受ける場合には、早い段階のがんを発見できる可能性がある一方、生命に影響しないがんまで発見する過剰診断などの課題があることも理解しておく必要があります。

PSA検査を受けるかどうか迷う場合には、年齢や家族歴なども踏まえて医師と相談する方法があります。すでに排尿症状や骨の痛みなどがある人が受ける検査は「検診」とは異なり、症状の原因を調べるための診療として行われます。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 予防・検診」

前立腺がんの初期症状・進行したときの症状

早期の前立腺がんは、多くの場合ほとんど症状がありません。そのため、健康診断や人間ドックなどでPSA値の異常を指摘されたことから精密検査へ進み、がんが見つかることがあります。

症状がないことは「がんがない」ことを意味しませんが、反対に排尿症状があるからといって前立腺がんとは限りません。高齢男性では前立腺肥大症など良性疾患による排尿症状も非常に多いため、症状だけで診断することはできません。

進行すると排尿症状が現れることがある

前立腺内でがんが大きくなったり尿道付近まで広がったりすると、尿が出にくい、尿の勢いが弱い、排尿回数が増える、残尿感があるなどの症状が現れることがあります。血尿や血精液症が生じる場合もありますが、いずれも前立腺がんだけに特有の症状ではありません。

これまでなかった排尿症状が続く場合や血尿がみられる場合には、自己判断せず泌尿器科で原因を確認することが重要です。症状の程度とがんの進行度は必ずしも一致しないため、症状が軽くても必要に応じて検査を行います。

骨転移によって痛みが出る場合がある

前立腺がんは進行するとリンパ節や骨へ転移しやすい特徴があります。骨転移では腰、背中、骨盤などの痛みが続いたり、骨が弱くなって骨折しやすくなったりすることがあります。

背骨への転移によって脊髄が圧迫されると、足のしびれや筋力低下、排尿・排便障害などが現れることがあります。このような神経症状が急に出た場合には緊急の治療が必要になることがあるため、速やかな受診が必要です。

ステージ4の病状や骨転移などについては、前立腺がんステージ4の記事で詳しく解説しています。

参考:国立がん研究センター「前立腺がんについて」

PSA検査とは

PSAは「前立腺特異抗原」と呼ばれるタンパク質で、主に前立腺でつくられています。前立腺がんによって前立腺組織が壊れると血液中へPSAが漏れ出すため、血液検査によって前立腺がんの可能性を調べる腫瘍マーカーとして使用されます。

ただし、PSAが高いことと前立腺がんであることは同じ意味ではありません。前立腺肥大症、前立腺炎などでも上昇することがあり、反対に基準値内であっても前立腺がんが見つかる場合があります。

PSA値の目安

一般的には4.0ng/mL以下が基準値として用いられますが、年齢による違いを考慮した基準もあります。国立がん研究センターでは、50~64歳では3.0ng/mL以下、65~69歳では3.5ng/mL以下、70歳以上では4.0ng/mL以下を推奨値として紹介しています。

PSA値が10ng/mLを超えても前立腺がんが見つからないことがある一方、4.0ng/mL以下でもがんが見つかることがあります。100ng/mLを超えるような著しい高値では前立腺がんが強く疑われ、転移を伴っている可能性も考えて詳しい検査を行います。

1回の数値だけでなく変化の仕方も確認する

PSAは1回の値だけではなく、以前の検査と比べてどのように変化しているかも判断材料になります。また、前立腺の体積に対するPSA値を示すPSA densityなどをMRI所見と組み合わせ、生検が必要かどうかを判断することがあります。

一方、数値の変化だけで前立腺がんを確定することはできません。PSAが高い場合には、直腸診やMRIなどを行い、必要に応じて前立腺生検へ進みます。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 検査」、国立がん研究センター「前立腺がん 予防・検診」

前立腺がんの検査と診断

PSA値や症状などから前立腺がんが疑われた場合には、直腸診、MRI、前立腺生検などを組み合わせて診断します。前立腺がんと確定した後は、病理学的な悪性度と、前立腺外やリンパ節・骨などへの広がりを調べることが治療選択につながります。

現在は「PSAが高ければすぐ生検」という単純な流れではなく、MRIによって疑わしい病変の有無を確認し、生検の必要性や採取する場所を検討することも一般的になっています。

MRI検査

MRIでは、前立腺の内部にがんを疑う病変がないか、前立腺の外へ広がっていないかなどを確認します。複数の撮像方法を組み合わせたマルチパラメトリックMRIが用いられ、生検前の評価や生検する場所を決めるために活用されます。

MRIで疑わしい病変があった場合でも、画像だけで前立腺がんを確定することはできません。確定診断には原則として組織を採取して顕微鏡で調べる病理診断が必要です。

前立腺生検

前立腺生検では細い針で前立腺の組織を複数採取し、がん細胞の有無を調べます。針を直腸側から刺す経直腸生検と、肛門と陰嚢の間の皮膚から刺す経会陰生検があり、施設や患者の状態に合わせて方法を選びます。

MRIで見つかった病変を狙って組織を採取するMRI標的生検も行われています。ただし、生検でがんが見つからなくてもPSA高値が続く場合などには、その後の経過によって再検査が必要になることがあります。

グリーソンスコアとグレードグループ

前立腺がんでは、がん細胞の形や配列から悪性度を評価するグリーソンスコアが重要です。最も多い組織パターンと次に多いパターンを組み合わせて6~10で表し、数字が大きいほど一般に悪性度が高くなります。

現在はグリーソンスコアに対応したグレードグループも広く用いられています。たとえばグリーソンスコア3+4=7と4+3=7は同じ合計7でも後者の方が悪性度が高いため、別のグレードグループとして評価されます。

グレードグループ グリーソンスコア 悪性度の目安
1 6以下 低い
2 3+4=7 中間
3 4+3=7 中間~高い
4 8 高い
5 9~10 非常に高い

転移を調べる画像検査

前立腺がんと診断された後は、リスクに応じてCT、MRI、骨シンチグラフィなどを行い、リンパ節や骨、その他の臓器への転移を調べます。すべての早期患者に同じ検査を行うのではなく、悪性度や病期などから必要性を判断します。

PSMA PETは前立腺がん細胞に多く発現する前立腺特異的膜抗原を利用して病変を画像化する検査です。海外では病期診断や再発部位の検索にも利用されていますが、日本で2025年に承認されたガリウム68ゴゼトチドを用いる診断は、PSMA標的治療であるプルヴィクトの適応判定を目的とした位置づけであり、すべての前立腺がん患者に一般的な病期診断として行う検査ではありません。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 検査」、PMDA「治療用放射性医薬品の適応判定を目的として承認された診断用放射性医薬品」

前立腺がんのステージとリスク分類

前立腺がんでは、がんがどこまで広がっているかを示す「ステージ」と、転移のないがんが今後進行・再発する可能性を評価する「リスク分類」の両方が重要です。ステージが同じでも悪性度や腫瘍マーカー値が異なれば、適した治療が変わることがあります。

ステージを考える際にはTNM分類に加えて、PSA値とグレードグループも重要です。Tは前立腺とその周囲への広がり、Nは骨盤内の所属リンパ節転移、Mは遠隔転移の有無を表します。次の表は、これらを組み合わせた予後ステージ分類の大まかな目安です。

ステージ 主な状態
Ⅰ期 前立腺内に限局し、前立腺特異抗原値10ng/mL未満、グレードグループ1などの条件を満たす。所属リンパ節転移・遠隔転移はない
Ⅱ期 前立腺内に限局しているが、前立腺特異抗原値やグレードグループなどがⅠ期より高い。所属リンパ節転移・遠隔転移はない
Ⅲ期 前立腺外へ広がる場合のほか、前立腺内にとどまっていても前立腺特異抗原値20ng/mL以上、またはグレードグループ5の場合など。所属リンパ節転移・遠隔転移はない
Ⅳ期 所属リンパ節への転移(N1)、または骨・遠隔リンパ節・ほかの臓器への遠隔転移(M1)がある

前立腺がんでは「ステージ4=必ず遠隔転移」とは限りません。所属リンパ節への転移があるN1・M0もⅣ期に含まれるため、同じステージ4でも病状や治療方針は異なります。

なお、この表はTNM分類にPSA値・グレードグループを加えた予後ステージ分類を、理解しやすいよう簡略化したものです。実際にはⅠ~Ⅳ期がさらに細かい病期に分かれ、判定には複数の条件の組み合わせが用いられます。正確な病期は担当医に確認し、治療方針は次に説明するリスク分類や健康状態なども踏まえて検討します。

ステージ4の分類、骨転移、治療、生存率や余命について詳しく知りたい場合は、前立腺がんステージ4の記事もあわせてご覧ください。

転移がない前立腺がんではリスク分類も重要

転移がない場合には、腫瘍の広がり、グリーソンスコア、PSA値、生検結果などから低リスク、中間リスク、高リスクなどへ分類します。たとえば同じⅡ期でも、悪性度やPSA値によって監視療法が適する場合と、手術や放射線治療を積極的に考える場合があります。

リスク分類 主な評価の目安
超低リスク T1c、グリーソンスコア6、前立腺特異抗原値10未満に加え、生検陽性本数や密度など一定の条件を満たす
低リスク T1~T2a、グリーソンスコア6、前立腺特異抗原値10未満
中間リスク T2b~T2c、グリーソンスコア7、前立腺特異抗原値10~20など
高リスク T3a、グリーソンスコア8~10、前立腺特異抗原値20超など
超高リスク・局所進行性 T3b~T4や、非常に悪性度が高い病理所見などを伴う

リスク分類は治療を機械的に決めるためのものではありません。年齢、期待余命、持病、排尿機能、治療によって守りたい生活なども含めて最終的な方針を決めます。

参考:前立腺がん 治療|国立がん研究センター がん情報サービス、Prostate Cancer Treatment(PDQ)|米国国立がん研究所(NCI)

前立腺がん治療の全体像

前立腺がんでは、すぐ治療した方がよい患者もいれば、積極的治療を急がない方が生活の質を保ちやすい患者もいます。そのため「がんと診断されたから手術」という一方向の考え方ではなく、病状に応じて治療の目的を整理することが重要です。

主な治療方針は次のように考えます。

病状 主に検討される治療
超低~低リスク 監視療法、手術、放射線治療など。病状によって局所療法を検討する場合がある
中間リスク 手術、放射線治療。放射線ではリスクに応じてホルモン療法を組み合わせる
高~超高リスク・局所進行 手術または放射線治療を中心に、ホルモン療法などを組み合わせた集学的治療
リンパ節転移・遠隔転移あり ホルモン療法を土台とした全身薬物療法が中心。病状に応じて放射線治療などを組み合わせる

同じリスク分類でも、70歳で大きな持病がない人と、85歳で心臓病など複数の持病がある人では治療による利益と負担が異なります。前立腺がんでは「がんだけを見る」のではなく、治療しなかった場合の進行リスクと治療による生活への影響を比較して考えることが重要です。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 治療」

監視療法とフォーカルセラピー

悪性度が低く進行する可能性が低い前立腺がんでは、すぐに根治治療を行わない方法があります。その代表が監視療法で、一定の患者では標準的な治療選択肢です。

一方、監視療法と前立腺全体を対象とする根治治療の中間として、がんがある部分を中心に治療するフォーカルセラピーも研究・実施されています。それぞれ目的と確立度が異なるため、同じ「前立腺を残す方法」と考えずに分けて理解する必要があります。

監視療法

監視療法は、治療を諦めることではありません。すぐに治療しなくても生命への影響が小さいと考えられる前立腺がんについて、PSA検査、直腸診、MRI、生検などを定期的に行い、進行の兆候が現れた段階で根治治療へ切り替える方法です。

手術による尿失禁や性機能障害、放射線治療による排尿・排便への影響を、必要になるまで避けられることが大きな利点です。一方、定期的な検査を続ける必要があり、「がんを治療せずに持っている」ことへの心理的な負担を感じる人もいます。

フォーカルセラピー

フォーカルセラピーは、画像や生検で位置を特定した前立腺内の病変を選択的に治療し、正常な前立腺組織をできるだけ残す考え方です。低~中間リスクの限局性前立腺がんの一部で検討されますが、手術や放射線治療と同じだけの長期的根治性が確立している治療ばかりではありません。

高密度焦点式超音波を利用する局所治療についても国内で臨床研究が続いています。治療を希望する場合には、「自分が適応になるか」だけでなく、保険診療・先進医療・臨床研究のどの位置づけなのか、長期成績がどこまで分かっているのかを確認することが大切です。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 治療」、厚生労働省 臨床研究情報ポータルサイト「前立腺癌に対する高密度焦点式超音波療法の臨床研究」

前立腺がんの手術

手術では、前立腺と精嚢を摘出し、膀胱と尿道をつなぎ直す前立腺全摘除術を行います。限局性前立腺がんを中心に根治を目的として行われますが、局所進行性の一部でも治療全体の計画の中で手術が選択される場合があります。

現在はロボット支援下前立腺全摘除術が広く行われています。ただし、ロボットを使用すること自体が治療成績を決めるわけではなく、がんの状態、術式、神経温存が可能か、術者・施設の経験なども重要です。

尿失禁

前立腺は尿道を取り囲んでいるため、摘出後には尿を保持する機能が一時的に低下し、尿漏れが起こることがあります。多くの場合は手術後の時間経過や骨盤底筋訓練によって改善しますが、回復の程度や期間には個人差があります。

尿失禁が長く続き生活への影響が大きい場合には、薬物療法や人工尿道括約筋など追加の治療を検討することがあります。手術前には「尿漏れが起こるか」だけではなく、どの程度続く可能性があるのか、改善しない場合にどのような治療があるのかまで確認するとよいでしょう。

性機能への影響

前立腺の周囲には勃起に重要な神経が走っているため、前立腺全摘除術後には勃起機能が低下することがあります。がんの位置や広がりから安全に神経を残せる場合には神経温存手術を検討しますが、がんを十分に取り切ることが優先される場合には温存できないこともあります。

また、前立腺と精嚢を摘出するため、手術後は精液が出なくなります。将来子どもを持つことを希望する場合には、治療開始前に妊孕性温存について相談する必要があります。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 治療」、国立がん研究センター「前立腺がん 療養」

前立腺がんの放射線治療

放射線治療は、手術と並んで限局性・局所進行性前立腺がんの根治を目指せる治療です。体の外から放射線を当てる外照射療法と、前立腺内へ放射線源を配置する組織内照射療法があり、リスク分類や前立腺の状態などによって方法を選びます。

中間リスク以上では、再発リスクに応じてホルモン療法を一定期間併用することがあります。放射線だけを行うのか、ホルモン療法を組み合わせるのか、組み合わせる場合にどの程度の期間行うのかが治療計画の重要なポイントになります。

外照射療法

現在の外照射では、周囲の膀胱や直腸への線量を抑えながら前立腺へ放射線を集中させるIMRTが広く利用されています。1回あたりの線量を増やして治療期間を短縮する寡分割照射や、選択された患者ではさらに少ない回数で行う定位放射線治療を検討する場合もあります。

放射線治療では手術のように前立腺を摘出しませんが、治療中から治療後に頻尿、排尿時痛、直腸出血などが生じることがあります。症状が数年後に現れる晩期障害もあるため、治療終了後も経過観察を続けます。

小線源療法

小線源療法では、放射線を出す小さな線源を前立腺内へ留置する方法などによって内部から照射します。主に限局性前立腺がんが対象となり、リスクによっては外照射やホルモン療法と組み合わせる場合があります。

前立腺の大きさや排尿状態、これまでに受けた手術などによって適応が異なります。治療方法を比較するときには根治性だけでなく、治療期間、通院回数、排尿や性機能への影響を含めて検討することが重要です。

手術と放射線治療は単純に優劣を決められない

限局性前立腺がんでは、手術と放射線治療のどちらも根治を目指せる治療です。がんのリスク、年齢、期待余命、排尿機能、性機能、通院条件などによって適した選択肢は変わります。

手術では摘出した前立腺を詳しく病理診断できることや、その後のPSA評価が比較的分かりやすいという特徴があります。放射線治療では手術を避けられる一方、治療期間や晩期の排尿・消化管症状など別の負担があるため、治療前に自分が何を優先したいのかを整理することが大切です。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 治療」

前立腺がんの薬物療法

前立腺がんの薬物療法は、ホルモン療法だけを独立して考えるよりも、男性ホルモンを抑える治療を土台として、病状に応じて別の薬を組み合わせると理解すると分かりやすくなります。

特に転移性前立腺がんでは治療選択肢が大きく増えており、診断時にホルモン療法が効く「去勢感受性」の状態なのか、十分に男性ホルモンを抑えているにもかかわらず病気が進行する「去勢抵抗性」の状態なのかによって治療が異なります。ここでいう「去勢」は精巣を摘出する手術だけを指すものではなく、薬によってテストステロンを十分に低下させた状態も含む医学用語です。

アンドロゲン除去療法

前立腺がんの多くは男性ホルモンであるアンドロゲンを利用して増殖します。このため、精巣からのテストステロン産生を低下させる薬などを使うアンドロゲン除去療法が、進行前立腺がんの治療の土台になります。

以前はアンドロゲン除去療法だけを長期間続けることも多くありましたが、現在の転移性前立腺がんでは、病状に応じてアンドロゲン受容体シグナル阻害薬や抗がん剤を早期から組み合わせ、治療を強化することが重要になっています。

アンドロゲン受容体シグナル阻害薬

アビラテロン、エンザルタミド、アパルタミド、ダロルタミドなどは、男性ホルモンの産生や受容体を介した働きを強く抑える薬です。転移性去勢感受性前立腺がんや去勢抵抗性前立腺がんなど、薬によって使用できる病状が異なります。

どの薬を選ぶかは、転移量、これまでの治療、心血管系の持病、転倒リスク、併用薬なども考慮します。同じ「ホルモンの作用を抑える薬」であっても副作用や使用条件は同じではありません。

抗がん剤

ドセタキセルは、転移性去勢抵抗性前立腺がんだけでなく、初めて転移性前立腺がんと診断された去勢感受性の段階でも、病状によって使用されます。また、去勢抵抗性となった後にはカバジタキセルなどが治療候補になる場合があります。

抗がん剤では白血球・好中球減少、感染症、脱毛、末梢神経障害、倦怠感などが問題になることがあります。治療効果だけでなく、年齢、全身状態、既往症、これまでの副作用を確認して使用できるかを判断します。

遺伝子検査とPARP阻害薬

去勢抵抗性前立腺がんでは、BRCA1・BRCA2などDNA修復に関係する遺伝子異常を調べることが、治療選択につながる場合があります。PARP阻害薬の適応条件は薬剤や併用療法ごとに異なるため、「BRCA変異があればPARP阻害薬」「変異がなければ使えない」と一律には説明できません。

特にタラゾパリブは2026年3月に国内の効能・効果が変更され、エンザルタミドとの併用による遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がんについて、現行の効能・効果には、BRCAなどDNA修復に関係する遺伝子変異があること自体は条件として付されていません。一方、遺伝子異常はほかの治療選択や遺伝性腫瘍の評価にも関係するため、検査の意義がなくなったわけではありません。

PSMA標的放射性リガンド療法

2025年には、ルテチウム177を用いた放射性リガンド療法であるプルヴィクトが国内承認されました。対象はPSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がんで、治療前に承認された診断用医薬品を用いてPSMA陽性病変があることを確認します。

この治療は「新しいからすべての進行前立腺がんに使用する」ものではありません。これまでに受けたアンドロゲン受容体シグナル阻害薬や、タキサン系抗がん剤を行うべきかなどを含めて適応を判断します。

転移性去勢感受性前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん、PARP阻害薬、プルヴィクトを含む治療順序については、前立腺がんステージ4の記事で詳しく解説しています。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 治療」、PMDA「ターゼナ 医療用医薬品情報」、PMDA「プルヴィクト 医療用医薬品情報」

前立腺がん治療の副作用と生活への影響

前立腺がんは長期にわたって経過をみる患者が多いため、治療効果だけではなく、治療後の生活の質を考えることが重要です。治療方法によって排尿、排便、性機能、骨や筋肉、体重、仕事などへの影響が異なります。

副作用は「治療だから仕方がない」と我慢するものではありません。早く相談することで症状を軽減できたり、治療方法や投与量を調整できたりする場合があります。

手術による影響

手術では尿失禁と性機能障害が代表的な合併症です。尿失禁は時間とともに改善する人が多い一方、回復までの期間や程度には個人差があり、日常生活や仕事に影響する場合があります。

勃起機能についても、年齢、手術前の機能、神経温存の可否などによって回復の可能性が変わります。治療前に排尿と性機能の両方について具体的な見通しを確認しておくことが重要です。

放射線治療による影響

放射線治療では、治療中から頻尿、排尿時の違和感、下痢、直腸の違和感などが起こることがあります。治療終了後しばらくして改善する症状もありますが、数カ月から数年後に血尿や直腸出血などの晩期障害が起こる場合もあります。

性機能低下も時間の経過とともに現れることがあります。手術とは副作用が出る時期や特徴が異なるため、「どちらの治療なら副作用がないか」ではなく、どのような影響を自分が受け入れやすいかを比較します。

ホルモン療法による影響

男性ホルモンを低下させる治療では、ほてり、発汗、性欲低下、勃起機能低下、筋力低下、体脂肪増加、骨密度低下などが起こることがあります。長期治療では糖代謝や脂質代謝、心血管リスクなどにも注意が必要です。

運動、食事、骨の健康管理などを治療と並行して行うことが重要になります。骨粗しょう症リスクが高い場合には骨密度検査や薬物療法を検討することもあります。

仕事や日常生活への影響

前立腺がんでは治療を受けながら仕事を続けられる人も多くいますが、手術後の尿漏れ、放射線治療の通院、ホルモン療法による疲労や筋力低下などが仕事に影響する場合があります。治療を決める際には、病気だけではなく通院頻度や仕事内容、介護・家庭生活なども医療者へ伝えておくと治療計画を考えやすくなります。

治療後の生活について困りごとがある場合には、泌尿器科医だけでなく、看護師、リハビリテーション、がん相談支援センターなども利用できます。長期間治療を続けることがある病気だからこそ、生活をできるだけ維持しながら治療を続けられる方法を考えることが重要です。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 治療」、国立がん研究センター「前立腺がん 療養」

前立腺がんのステージ別生存率

前立腺がんは、がん全体の中でも比較的生存率の高いがんです。全国がん登録による2018年診断例の前立腺がん全体の5年相対生存率は95.7%となっています。

ただし、前立腺がんの予後はステージによって大きく異なります。特にリンパ節転移や遠隔転移を含むステージⅣでは、Ⅰ~Ⅲ期と比べて生存率が低下します。

国立がん研究センターの院内がん登録2014~2015年診断例による5年ネット・サバイバルは次のとおりです。

ステージ 対象数 5年ネット・サバイバル
Ⅰ期 29,438例 100.0%
Ⅱ期 22,329例 100.0%
Ⅲ期 11,587例 98.5%
Ⅳ期 10,319例 60.1%

ここで用いているネット・サバイバルとは、がん以外の死因の影響を統計的に除き、「そのがんだけが死因となる状況」を仮定して算出する指標です。前述した2018年診断例の5年相対生存率95.7%とは、診断年、患者集団、計算方法が異なるため、直接比較する数字ではありません。

また、この表は2014~2015年当時の病期区分に基づく集計です。前述したPSA値やグレードグループを含む予後ステージ分類とは、各病期に含まれる患者さんの条件が完全に一致するわけではありません。そのため、現在の病期分類で診断された患者さんの見通しに、この表の数値をそのまま当てはめることはできません。

Ⅰ~Ⅲ期の生存率が高い理由

Ⅰ期・Ⅱ期は前立腺内にとどまるがんが中心で、病状に応じて監視療法、手術、放射線治療などを検討します。Ⅲ期には前立腺外へ広がるがんのほか、前立腺内にとどまっていてもPSA値やグレードグループによってⅢ期に分類されるがんが含まれます。遠隔転移がない患者さんでは、手術、放射線治療、ホルモン療法などを病状に応じて組み合わせ、根治や長期的な病勢コントロールを目指します。

また、前立腺がんには比較的ゆっくり進行するタイプが多いことも、生存率が高くなる背景の1つです。ただし同じステージでもグリーソンスコアやリスク分類によって再発リスクは異なるため、「5年生存率が高い=治療や経過観察が不要」という意味ではありません。

ステージⅣで生存率が低下する理由

ステージⅣには、遠隔転移はないものの所属リンパ節へ転移しているN1・M0と、骨や遠隔リンパ節、肺、肝臓などへ遠隔転移しているM1の両方が含まれます。

特にM1では、画像で確認できる病変だけでなく全身に存在する可能性のあるがん細胞を考えて治療する必要があるため、薬物療法が治療の中心になります。一方、N1・M0では前立腺や骨盤への局所治療も含めて治療方針を検討します。このようにステージⅣには病状の異なる患者さんが含まれるため、Ⅰ~Ⅲ期より生存率が低い一方、ステージⅣの数字だけから個人の見通しを判断することはできません。

ただし、ステージⅣの60.1%を、現在ステージ4と診断された個人の「5年後に生きている確率」とそのまま考えることはできません。この統計は2014~2015年診断例であり、その後アンドロゲン受容体シグナル阻害薬の早期使用、治療強化、PARP阻害薬、PSMA標的放射性リガンド療法など治療選択肢が変化しています。

さらにステージⅣには所属リンパ節転移のみの患者と、多数の遠隔転移を持つ患者の両方が含まれます。ステージ4の生存率や余命、転移部位、現在の治療成績については、前立腺がんステージ4の記事で詳しく解説しています。

参考:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 前立腺がん」、国立がん研究センター「がん統計 前立腺」

前立腺がんの再発とPSA再発

前立腺がんでは、手術や放射線治療によって画像上がんが確認できなくなった後も、PSA検査を続けます。画像に病変が見えるより先にPSAが上昇することがあり、この状態を生化学的再発、またはPSA再発と呼びます。

再発したからといって、すぐに遠隔転移があるとは限りません。前立腺周囲だけにがんが残っている可能性もあれば、画像にはまだ映らない微小な転移が存在する可能性もあるため、以前受けた治療やPSAの上昇速度などから次の治療を考えます。

手術後のPSA再発

前立腺をすべて摘出するとPSAは非常に低い値になるため、術後に再び上昇した場合には再発を疑います。国立がん研究センターでは、2~4週間空けて測定したPSA値が2回連続して0.2ng/mLを超えた場合を再発の疑いとして示しています。

前立腺周囲に再発している可能性がある場合には、救済放射線治療を検討します。救済放射線治療はPSAがあまり高くならない段階で開始する方が効果を期待しやすいため、術後の定期検査が重要です。

放射線治療後のPSA再発

放射線治療では前立腺そのものが残っているため、手術後のようにPSAがゼロ近くになるとは限りません。一般には、治療後に最も低くなったPSA値から2.0ng/mL以上上昇した場合に再発を疑います。

PSAが上昇してもすぐに全身治療が必要とは限らず、上昇速度、画像所見、最初の悪性度、治療後どのくらいの期間で再発したかなどを確認します。局所治療が可能な場合もあれば、ホルモン療法など全身治療が必要になる場合もあります。

再発によって遠隔転移が確認された場合や、ホルモン療法中に去勢抵抗性となった場合の治療は、前立腺がんステージ4の記事で詳しく解説しています。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 治療」、国立がん研究センター「前立腺がん 療養」

前立腺がんの治療選択で個別に考えること

前立腺がんには標準的な治療方針がありますが、同じステージ・リスク分類でもすべての患者が同じ治療を選ぶわけではありません。前立腺がんは治療後も長く生活する患者が多いため、がんを抑える効果と治療による長期的な生活への影響の両方を考える必要があります。

たとえば低リスク前立腺がんでは、早く手術を受けることで安心できる人がいる一方、治療しなくても生命に影響しない可能性の高いがんに対して尿失禁や性機能障害のリスクを負うことを避け、監視療法を選ぶ人もいます。

高リスク・局所進行性前立腺がんでは、手術だけ、放射線だけという単純な選択ではなく、リンパ節郭清や術後治療、放射線とホルモン療法の組み合わせなどを含めて考えます。転移性前立腺がんでは、アンドロゲン除去療法だけでなく、早い段階から治療を強化できるかどうかが重要になります。

年齢だけで治療を決めない

前立腺がんは高齢者に多い病気ですが、「80歳だから治療しない」「若いから必ず手術」という決め方は適切ではありません。平均余命、持病、日常生活の自立度、がんの悪性度などを組み合わせ、治療によって得られる利益がどの程度あるのかを考えます。

同じ年齢でも健康状態は大きく異なります。年齢そのものよりも、治療によってどれだけ生命予後の改善を期待できるか、治療による負担に耐えられるかを個別に評価することが重要です。

治療後の生活で何を優先するか

手術では尿失禁や性機能障害、放射線治療では排尿・排便症状や晩期障害、ホルモン療法では性機能、筋力、骨、代謝などへの影響があります。根治率だけを比べても、患者自身にとって最も納得できる治療が決まるとは限りません。

治療を選ぶ際には「できるだけがんを取り除くことを最優先したい」「仕事を続けやすい治療を選びたい」「排尿機能や性機能をできるだけ保ちたい」など、自分が何を重視しているかを医療者へ伝えることが大切です。

参考:国立がん研究センター「前立腺がん 治療」

前立腺がんの治療を選ぶときに確認したいこと

前立腺がんは選択肢が多く、「医師から複数の方法を提示されたものの、どれを選べばよいか分からない」と感じる人も少なくありません。治療方法の名称だけを比較するのではなく、自分の病状でなぜその治療が候補になっているのかを確認すると判断しやすくなります。

確認したいこと 確認する意味
現在のステージはどこまでか 前立腺内にとどまるのか、周囲へ浸潤しているのか、リンパ節・遠隔転移があるのかで治療目的が変わる
どのリスク分類に当てはまるか 同じステージでも悪性度や腫瘍マーカー値によって監視療法・根治治療などの必要性が異なる
今すぐ治療する必要があるか 低リスクでは治療による不利益を避ける監視療法が選べる場合がある
手術と放射線治療の両方を選べるか 根治性だけでなく、尿失禁、排尿・排便、性機能、通院期間などを比較できる
追加の薬物療法が必要か 高リスクや転移性では、一つの治療だけでなく複数の治療を組み合わせることで予後改善を目指す場合がある
治療後にどのような生活への影響があるか 排尿機能、性機能、仕事、骨・筋力など長期間の生活まで考えて治療を選べる
再発した場合にどの治療が残るか 現在の治療だけでなく、救済治療やその後の薬物療法まで含めて治療計画を考えられる

説明を受けても治療方法を決めきれない場合には、セカンドオピニオンを利用する方法もあります。特に手術と放射線治療の両方が選べる場合や、治療を急ぐか監視療法を選ぶか迷う場合には、それぞれの治療を専門とする医師から説明を受けることで判断材料が増えることがあります。

まとめ

前立腺がんは日本の男性で最も多く診断されるがんですが、その進行速度や生命への影響は患者ごとに大きく異なります。初期にはほとんど症状がなく、PSA検査をきっかけに発見されることが多いため、PSAの意味と限界を理解し、異常を指摘された場合にはMRIや生検など必要な検査へ進むことが重要です。

診断後はステージだけでなく、グリーソンスコア、グレードグループ、PSA値などからリスクを評価します。低リスクでは監視療法が適する場合がある一方、中間~高リスクでは手術や放射線治療、局所進行例ではホルモン療法を組み合わせた治療などを検討します。

転移性前立腺がんでは治療選択肢が大きく増えており、アンドロゲン除去療法を土台にアンドロゲン受容体シグナル阻害薬や抗がん剤を組み合わせる治療に加え、病状によってPARP阻害薬やPSMA標的放射性リガンド療法なども選択肢になっています。ステージ4の治療は複雑化しているため、詳しい内容は前立腺がんステージ4の記事で確認してください。

前立腺がんでは治療後も長期間生活する患者が多いため、治療効果だけでなく、尿失禁、排尿機能、性機能、骨や筋力、仕事など生活への影響も重要な判断材料になります。自分の病状ではどの治療が選べるのか、それぞれを選んだ場合に何が変わるのかを主治医と確認し、自分が大切にしたいことも含めて納得できる治療方針を考えることが大切です。

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