”新しい未来をともに”最先端のがん治療を追求するがん治療専門クリニック ”新しい未来をともに”最先端のがん治療を追求するがん治療専門クリニック

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浸潤性小葉がん(Invasive lobular carcinoma/ILC)は、乳がんの中でも早期発見が難しく、じわじわと広がる特徴を持つタイプのがんです。見逃されやすく再発リスクも高いため、正確な診断と適切な治療法の選択が重要です。

本ページでは、浸潤性小葉がんの原因や症状、検査、治療の流れについてわかりやすく解説し、どのような治療法や選択肢があるのかをお伝えします。乳がん治療で後悔しないために、正しい知識を身につけ、最適な治療を選ぶ参考にしてください。

  • 浸潤性小葉がんはしこりができにくく早期発見が難しい乳がん
  • 再発リスクが高く、長期的な経過観察が必要
  • 患者様に合わせた治療法の選択が重要

浸潤性小葉がんとは

浸潤性小葉がんは、乳がんの一種で、乳腺の「小葉(母乳をつくる部分)」から発生し、周囲の組織にじわじわと広がっていくタイプのがんです。

乳がん全体の約10〜15%を占めます。他の乳がんのタイプとは異なり、しこりとしてはっきり現れにくく、乳がん検診などで実施されるマンモグラフィで見つかりにくいことが特徴です。そのため、MRIや超音波検査などの精密検査が必要になることがあります。

多くは女性ホルモンの影響を受けやすい性質を持ち、ホルモン療法が有効です。治療は手術に加えて、放射線や抗がん剤などの薬物療法を組み合わせます。

また、再発が遅れて起こることもあるため、長期的な経過観察が重要です。完治したと判断されてから、10年以内に約20%、20年以内に約30%もの患者様が再発するとの報告もあります。そのため、浸潤性小葉がんは治癒したと医師から言われても長期間にわたって再発しないか見守る必要があります。

浸潤性小葉がんの原因

浸潤性小葉がん(ILC)は、乳がんの一種で、特に50歳以上の女性に多く見られます。
明確な発症原因は分かっていませんが、いくつかの生活習慣や体質が関係すると考えられています。

浸潤性小葉がんの多く(約90%)は女性ホルモンの影響を受けやすい性質(エストロゲン受容体陽性)を持ちます。また、閉経後の肥満もホルモンバランスに影響し、リスクを高める可能性があります。

さらに、遺伝子異常も大きく関わっています。代表的には、浸潤性小葉がんの約90%は「CDH1」という遺伝子の異常が関連していることもあります。他にも、浸潤性小葉がんの約50%は「PIK3CA」に、約12%は「p53」に遺伝子異常が認められると報告されています。

浸潤性小葉がんの診断

浸潤性小葉がん(ILC)は、他の乳がんタイプと比べて「しこり」がはっきりしないため、見つけにくいという特徴があります。乳がん検診でよく使われるマンモグラフィ(レントゲン撮影)では、石灰化や明瞭なしこりが出にくく、見逃されることがあります。

そのため、より詳しい検査としてMRI(乳房の精密な画像診断)検査が実施されることが多く、がんの広がりや大きさ、腋窩リンパ節などの他の病変の有無も見つけやすく、がんのステージを決定するのに有用とされています。

浸潤性小葉がんの確定診断には針生検(がん組織の一部を採取して調べる検査)が行われ、浸潤性小葉がんの特徴である「E-カドヘリン」というたんぱく質の欠如を確認して診断します。

また、浸潤性小葉がんは他の乳がんでの転移先として有名な肺や脳よりも、骨・腹膜・消化管などに転移しやすい傾向があるため、CT検査やPET-CT検査で全身の広がりをチェックすることも重要です。

このように、浸潤性小葉がんは診断が難しいがんであるため、画像検査と病理診断を組み合わせた丁寧な検査が必要となります。患者様の状態によって実施すべき検査が異なりますので、具体的には主治医の先生と相談して検査内容や種類を決定していくのがおすすめです。

浸潤性小葉がんの一般的な治療法

浸潤性小葉がん(ILC)は、乳がんの中でもしこりができにくく、じわじわと広がる特徴をもつタイプです。そのため、早期に発見されても見た目以上に範囲が広がっていることがあり、治療計画には慎重な判断や対応が必要です。

治療の基本は「手術」「薬物療法」「放射線治療」の3つの組み合わせです。手術では、乳房を残す方法(温存術)か、全体を切除する方法(全摘術)が選ばれます。画像では映りにくいことがあるため、MRI検査を用いてがんの広がりを正確に把握し、手術範囲を決定します。

多くの浸潤性小葉がんは女性ホルモンの影響を受けて成長するため、術後には「ホルモン療法(内分泌療法)」が行われます。年齢や体の状態に応じて薬を選び、数年単位で継続します。がんの進行度や再発リスクが高い場合、女性ホルモンが発現していない場合(エストロゲン受容体陰性)には、「抗がん剤治療」を加えることもあります。

また、浸潤性小葉がんが発見されてすぐに手術を実施できない患者様には、抗がん剤治療などの化学療法や放射線療法を実施します。化学療法や放射線療法を行うことで手術を可能にし、根治を目指せる場合もあります。

さらに最近では、浸潤性小葉がんを発生させている主な原因の1つである、遺伝子変異に直接効果を発揮する遺伝子治療が最新の治療法として注目されています。

浸潤性小葉がんは完治(治癒)できる疾患

浸潤性小葉がんは完治を見込める疾患です。

浸潤性小葉がんは手術やホルモン療法、様々な化学療法、放射線療法などを組み合わせることで治癒も十分に期待できます。

また、当院では浸潤性小葉がんに対しての最新治療である遺伝子治療を積極的に取り入れております。ぜひ一度お問い合わせください。

浸潤性小葉がんにおける保険診療の限界

浸潤性小葉がんに対する保険診療には、手術やホルモン療法、化学療法、放射線療法などがあります。手術法の発達や化学療法・放射線療法の進歩といった医療界の発展により浸潤性小葉がんの治療法が発展してきましたが、保険診療では治療が困難な場合もあります。

実施できるホルモン療法や化学療法の制限

保険診療では浸潤性小葉がんで使用できるホルモン療法や抗がん剤の数に制限があります。

浸潤性小葉がんではがん細胞のタイプに合わせて様々な抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを使い分けます。しかし、個人差はありますが通常4~5種類程度しか有効な薬物療法はありません。

そのため、使用できる薬物を使い切った場合、もしくは体に合わない場合には、選択できる薬剤や治療はもう存在しないと医師から言われてしまいます。

また、1個の新しい抗がん剤などの薬物が開発されるまでには10~20年かかると言われています。

保険診療ではカバーしきれない浸潤性小葉がんの再発

浸潤性小葉がんは、何年もたってから再発するという特徴があります。完治したと判断されてから、10年以内に約20%、20年以内に約30%もの患者様が再発するとの報告もあります。そのため、手術後の再発予防目的で術後補助化学療法というホルモン治療や抗がん剤治療が勧められるケースが多いです。

しかし、特に抗がん剤治療はつらい副作用もあるため、体力があまり無い高齢の患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。

さらに、術後補助化学療法を行っても、約50%の患者様は浸潤性小葉がんを再発するリスクがあるという報告もあります。つまり、国内の保険診療のみでは、浸潤性小葉がんの手術を行ったとしても10人に1~2人が再発してしまうのが現状です。

化学療法の「きつい」副作用

浸潤性小葉がんの化学療法では抗がん剤などを用いますが、その副作用は抗がん剤の種類や患者様により個人差があります。抗がん剤などの一般的な副作用は、嘔気、食欲不振、下痢、手足のしびれ、倦怠感、発疹、貧血、高血圧、脱毛などです。また、使用する薬物療法の種類によっては、命に関わる合併症や副作用が起きるケースもあり、注意が必要です。

患者様の中には、最初は問題なくても副作用がきつく続けられないと感じる方もいらっしゃいます。また、頑張って化学療法を続けていても副作用のせいで日常生活が楽しく送れずに気分が落ち込む患者様もいらっしゃいます。

最新の治療法である遺伝子治療がおすすめ

浸潤性小葉がんの近年注目されている治療法として遺伝子治療があります。

遺伝子治療は、浸潤性小葉がん発症の原因である遺伝子異常に直接アプローチして、がん細胞そのものを根本的に治療する最新の治療法です。

特に欧米では、がんの部位ではなくどのような遺伝子異常があるか、ということに注目して治療法を決定する研究や臨床試験が行われています。日本では一部の遺伝子治療を保険でも行われていますが、国際的には遺伝子治療の分野で遅れを取っています。がん中央クリニックグループの各クリニックではいち早く遺伝子異常に焦点をあてた診察・治療を導入しています。

なお、遺伝子治療には「がん抑制遺伝子」と「核酸医薬」の2種類があります。詳しくは下記をご参照ください。

がん中央クリニックグループのクリニックでは、患者様の状態に合わせて行う最新のがん遺伝子治療を提供できます。是非一度ご相談ください。

保険診療では「治療方法がない」方も治療可能

浸潤性小葉がんに対する遺伝子治療は保険診療ではなく自由診療(保険外診療)であり、保険診療ではもう治療方法がない、と言われた患者様でも実施できます。

がん中央クリニックグループの各クリニックでは浸潤性小葉がんの患者様1人ひとりに合わせてテーラーメイドの遺伝子治療を提供します。

保険診療との相乗効果が期待

遺伝子治療は浸潤性小葉がんへの化学療法などのあらゆる薬物療法と併用できるとともに、治療効果として相乗効果が期待できます。なぜなら、ホルモン治療や化学療法は産生された浸潤性小葉がんの細胞やたんぱく質に作用しますが、遺伝子治療は細胞やたんぱく質が産生される前段階に作用するため、浸潤性小葉がんの細胞に対して作用するポイントが異なるからです。

また、放射線療法もがん細胞の遺伝子に作用する治療法であり、遺伝子治療を併用すれば相乗効果が期待できます。遺伝子治療はすでに保険診療で化学療法を含む薬物療法や放射線治療を実施中の患者様にもおすすめできる治療法です。

治療継続可能な副作用

遺伝子治療には目立った副作用が起こりにくいです。特に、化学療法で起きやすい嘔気、食欲不振、倦怠感、脱毛、貧血、命に関わる副作用などはほとんど起こりません。また、ホルモン治療でものぼせや発汗、血栓症などのリスクがあります。

遺伝子治療の副作用としては、一時的な微熱、血圧上昇、顔の紅潮、アレルギー反応(0.3%以下)などがあります。解熱剤など薬物を使う場合もありますが、自然と改善する副作用が大半であり、治療を継続するのに支障をきたしません。

がん遺伝子治療をオススメする患者様

がん遺伝子治療は浸潤性小葉がんのほとんどの患者様におすすめできる治療法です。

どのような患者様に効果が期待できるのかを以下に具体的に解説します。ぜひご自身のパターンに合わせてがん遺伝子治療をご検討ください。

浸潤性小葉がんに対して薬物治療中や放射線療法中の患者様

がん遺伝子治療は、ホルモン治療・抗がん剤治療などの薬物治療や放射線療法といった標準治療を行っているすべての患者様におすすめできる治療法です。浸潤性小葉がんの症例では、手術前や手術後もホルモン治療や抗がん剤治療を行う場合がありますが、そのような患者様にもおすすめの治療法です。

がんは放置していると大きくなっていくため、様々な治療法を用いてがんを小さくすることが重要です。つまり、保険治療の薬物治療や放射線療法だけで浸潤性小葉がんに立ち向かうのではなく、がん遺伝子治療を併用することで、異なる治療手段により浸潤性小葉がんの縮小がより見込めます。

実際、抗がん剤とがん遺伝子治療を併用することで、がんへの治療効果がより高まったという論文も発表されています。浸潤性小葉がんは数あるがんの中でも悪性度が極めて高いがんの1つです。そのため、完治を目指すためには様々な治療法を組み合わせて治療を行うことが重要です。

浸潤性小葉がん手術後のすべての患者様

浸潤性小葉がんが発見され手術を行った場合でも、再発率は20年間で約30%とも報告されています。

保険診療ではこの高確率での再発を抑制させるため、術後補助化学療法というホルモン治療や抗がん剤治療が勧められるケースが多いです。しかし、特に抗がん剤治療には副作用もあるため、体力があまり無い高齢の患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。

また、術後補助化学療法を実施したとしても約50%の患者様は再発するという報告もあります。したがって、浸潤性小葉がん手術後のあらゆる患者様は、術後補助化学療法を行う場合も行わない場合も最新の遺伝子治療を実施し、再発する可能性を少しでも低くすることが重要と言えます。

保険治療では治療困難な患者様

浸潤性小葉がんに対するがん遺伝子治療は、保険診療ではなく自由診療(保険外診療)であるため、保険診療で治療法がない、と言われた患者様でも実施できます。

がん中央クリニックグループの各クリニックでは患者様1人ひとりに合わせたテーラーメイドのがん遺伝子治療を提供しています。

また、がん遺伝子治療では目立った副作用が現れません。そのため、当グループのクリニックへ通院さえ可能であればどのような方でも治療可能です。

例えば、「体力がないため抗がん剤はできません」などと説明された方でもがん中央クリニックの治療は可能です。通院が困難な方には訪問治療も可能な場合もあります。詳しくは一度下記の無料相談窓口へお問い合わせ、お電話ください。

浸潤性小葉がんの完治を目指して保険診療と患者様に合った自由診療を組み合わせるのがおすすめ

浸潤性小葉がんは完治(治癒)を目指せる疾患であり、適切に治療を行うことが重要です。

浸潤性小葉がんの発症要因の1つとして遺伝子異常があるため、保険診療と遺伝子治療を組み合わせたり、保険診療ではカバーできない場合には遺伝子治療を行うことで腫瘍縮小効果や再発抑制効果などが期待できます。

がん中央クリニックグループの各クリニックでは遺伝子治療をはじめ、患者様1人ひとりに合ったがんの自由診療を提案いたします。浸潤性小葉がんの患者様は、どのような状況の場合でも是非お気軽にご相談ください。