”新しい未来をともに”最先端のがん治療を追求するがん治療専門クリニック ”新しい未来をともに”最先端のがん治療を追求するがん治療専門クリニック

胃がんstomach-cancer

胃がんは、日本人にとって長く身近ながんの一つです。国立がん研究センターの統計では、2023年に新たに胃がんと診断された人は104,864例、2024年の死亡数は37,867人と報告されています。かつてより減少傾向はあるものの、現在でも決して少ない病気ではありません。

胃がんの早期発見が難しい原因として、早い段階では自覚症状がほとんど出ないことがあげられます。胃の不快感、みぞおちの痛み、食欲低下、胸やけ、胃もたれのような症状があっても、多くの人はまず「胃炎かもしれない」「食べすぎたのだろう」「ストレスのせいだろう」と考えます。実際、こうした症状は良性の胃炎や逆流性食道炎、胃潰瘍でも起こります。そのため、胃がんだけを疑ってすぐ検査へ進む人は多くありません。

胃がんは早期に見つかれば内視鏡治療で治療できる場合があります。胃の粘膜に浅くとどまっている段階で発見できれば、胃を大きく切除せずに済む可能性もあります。胃がん治療には内視鏡治療、手術、薬物療法などがあり、病気の進行度によって選択が大きく変わります。

問題は、症状が出てから見つかる胃がんでは、すでに粘膜の深い層へ進んでいたり、リンパ節転移を伴っていたりすることがある点です。胃はある程度広がりのある臓器なので、小さな病変では食事の通り道を大きく妨げません。出血があっても少量なら便の色や体調変化として気づきにくく、貧血が進んで初めて検査につながることもあります。

この記事では、胃がんを単なる病気説明としてではなく、なぜ見逃されやすいのか、どの段階で検査を考えるべきなのか、なぜ内視鏡治療で済む場合と手術や薬物療法が必要になる場合があるのかまで含めて解説します。胃の症状を抱えている人、検診で異常を指摘された人、すでに診断を受けて治療選択に迷っている人が、自分の状況を整理するための判断材料として読める内容を目指します。

出典:国立がん研究センター がん統計「胃」

  • 胃がんは減少傾向はあるものの日本人にとって身近ながんの一つ
  • 早期の胃がんは自覚症状がほとんど出ないため見逃されがち
  • 症状が出てから見つかる胃がんは既に進行していることが多い

胃がんとは何か

胃がんは、胃の内側を覆う粘膜の細胞ががん化し、無秩序に増えていくことで発生します。胃は、食道から入ってきた食べ物を一時的に溜め、胃酸や消化酵素によって消化を進め、十二指腸へ送り出す臓器です。胃の壁は内側から粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜へと層を作っており、胃がんはこの内側の粘膜から始まります。

胃がんで大きな分かれ目になるのは、がんが胃の壁のどの深さまで広がっているかです。粘膜や粘膜下層にとどまる早期胃がんでは、リンパ節転移の可能性が低い条件を満たせば、内視鏡治療が検討されます。胃の外側へ深く進んだ場合やリンパ節転移の可能性が高い場合には、胃の一部または全部を切除する手術が必要になることがあります。

胃がんは、同じ「胃がん」という診断名でも、発生部位や進み方によって治療後の生活がかなり変わります。胃の出口に近い部分にできれば食べ物が通りにくくなり、少量でお腹が張ることがあります。胃の入り口に近い部分では、食べ物がつかえる感じが出ることもあります。胃の広い範囲に浸潤するタイプでは、内視鏡で見ても境界が分かりにくい場合があり、診断や治療方針の判断が難しくなることがあります。

患者側で誤解しやすいのは、「胃痛が強いほど進行している」「痛みがないなら大丈夫」という考え方です。胃がんは、かなり進行していても症状が乏しい場合があります。逆に強い胃痛があっても、原因が胃がんではなく胃炎や潰瘍であることもあります。症状の強さだけでは、胃がんかどうか、どこまで進んでいるかを判断できません。

「何となく胃が重い」「食欲が落ちた」「黒い便が出た」「体重が減った」といった変化が、後から振り返ると重要だったということがあります。胃の症状は日常的に起こりやすいため、自己判断で胃薬を飲んで済ませてしまう人もいます。胃がんを早く見つけるには、症状の有無だけに頼らず、年齢や検診歴、ピロリ菌感染歴、症状の続き方を含めて考える必要があります。

胃がんの原因とリスク

胃がんは、一つの原因だけで起こる病気ではありません。発症には、ピロリ菌感染、慢性胃炎、食生活、喫煙、加齢、遺伝的背景などが複雑に関わります。その中でも、日本人の胃がんで特に重要なのがヘリコバクター・ピロリ菌です。

ピロリ菌感染・慢性胃炎

ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、長い時間をかけて慢性胃炎を引き起こします。慢性的な炎症が続くと、胃粘膜が萎縮し、細胞が変化しやすい状態になります。この変化が長年積み重なることで、胃がんの発生リスクが高まると考えられています。胃がんが「ある日突然できる」というより、長い炎症の積み重ねの中で発生する場合があるのはこのためです。

ただし、ピロリ菌に感染している人が全員胃がんになるわけではありません。そして除菌治療を受けたからといって、胃がんリスクが完全にゼロになるわけでもありません。すでに萎縮性胃炎が進んでいる場合には、除菌後も定期的な内視鏡検査が必要になることがあります。患者の中には「除菌したからもう胃カメラは不要」と考えてしまう人もいますが、実際には胃の状態によって検査の必要性が変わります。

食生活・喫煙・生活習慣

食生活も胃がんリスクと関係します。塩分の多い食事は胃粘膜へ負担をかけ、発がんリスクと関連すると考えられています。喫煙も胃がんのリスク因子として知られています。ただ、ここで注意したいのは、生活習慣だけが胃がんの発生原因ではないということです。健康に気をつけていた人でも胃がんになることはありますし、逆にリスク要因があっても発症しない人もいます。

胃がんの疑いがあると診断された際に重要なのは、「自分に何か原因があったのか」を探し続けることより、今の胃の状態を把握することです。ピロリ菌感染歴がある人、慢性胃炎を指摘されたことがある人、胃がんの家族歴がある人、長く胃の不調が続いている人では、胃薬で様子を見るだけではなく、内視鏡検査で粘膜を直接確認する意味があります。

胃がんの症状と見逃されやすさ

胃がんが見逃されやすい理由の一つに、初期症状がはっきりしないことにあります。胃痛や胃もたれ、胸やけ、食欲低下、吐き気のような症状は、日常的な胃腸トラブルでも起こります。忙しい時期に胃が重くなればストレスのせいだと考えやすく、食後の不快感が続いても市販薬でしのいでしまう人は少なくありません。

早期胃がんでは、まったく症状がないことも珍しくありません。検診や別の理由で受けた胃カメラで偶然見つかることもあります。胃の粘膜に浅くとどまっている段階では、食べ物の通過を妨げることも少なく、出血があっても微量で自覚しにくいからです。

胃がんの進行と症状の変化

病気が進むと、症状は少しずつ変わります。腫瘍から出血すれば貧血が進み、疲れやすさ、息切れ、顔色の悪さとして現れることがあります。便が黒くなる場合もあります。胃の出口に近い部分が狭くなると、食べたものが通りにくくなり、少量で満腹になる、食後に吐き気が出る、体重が減るといった変化につながります。胃の入り口付近では、食べ物がつかえる感覚が出ることもあります。

ここで難しいのは、こうした症状が胃がんだけに特有ではないことです。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、機能性ディスペプシアでも似た症状が起こります。症状だけで胃がんを見分けることはできません。

受診を考える上で大切なのは、「一度症状が出たか」ではなく、「変化が続いているか」「以前と違うか」です。胃薬を飲んでも改善しない胃もたれが続く、食欲が戻らない、体重が落ちている、黒い便が出る、貧血を指摘された。こうした変化がある場合には、単なる胃の不調として片付けず、内視鏡検査を含めて確認する方が現実的です。

胃がんの検査と診断

胃がんを確定するために重要なのは、内視鏡検査です。胃カメラでは、胃の粘膜を直接観察し、疑わしい部分があれば組織を採取して病理検査を行います。画像だけで「胃がんらしい」と判断するのではなく、実際に細胞を確認して診断を確定します。

胃X線検査・内視鏡検査

検診では、胃X線検査や内視鏡検査が行われます。胃X線検査はバリウムを飲んで胃の形や粘膜の異常を調べる方法で、広く行われてきました。内視鏡検査では粘膜を直接見ることができ、早期胃がんや小さな病変の確認に役立ちます。どちらにも役割がありますが、症状が続いている場合や精密検査が必要な場合には、内視鏡で直接確認する意味が大きくなります。

患者側では特に胃カメラへの抵抗感が強いことがあります。苦しい、怖い、以前つらかったという経験から、検査を先延ばしにしてしまう人もいます。現在は経鼻内視鏡や鎮静を使う検査など、負担を減らす工夫もあります。もちろん施設によって対応は異なりますが、「胃カメラが怖いから検査しない」と決めてしまう前に、検査方法を相談してみましょう。

胃がん診断後の流れ

胃がんと診断された後は、病気の広がりを調べる検査が行われます。CTではリンパ節転移や肝臓、肺、腹膜などへの転移を確認します。必要に応じて超音波検査、MRI、PET検査などが検討されることもあります。胃がんには、腹膜播種という形でお腹の中に広がることがあり、画像では分かりにくい場合もあります。進行度によっては、審査腹腔鏡で腹膜播種の有無を確認することもあります。

検査の種類が増えると「かなり悪いのではないか」と不安になる人もいますが、胃がんの治療方法は進行度によって大きく変わります。内視鏡治療で済むのか、手術が必要なのか、先に薬物療法を行うべきなのかを判断するには、病気の深さや転移の有無をできるだけ正確に把握する必要があります。検査は不安を増やすためではなく、治療を選ぶための土台になるのです。

胃がんのステージ分類

胃がんのステージ分類は、がんが胃の壁のどの深さまで広がっているか、リンパ節転移があるか、遠隔転移があるかをもとに判断されます。胃がんでは、この分類が治療方針に直結します。内視鏡治療で済む段階なのか、胃切除とリンパ節郭清が必要なのか、薬物療法を中心に考える段階なのかが変わるからです。

ステージ0期

ステージ0に相当する非常に早い段階では、がんが粘膜内にとどまっています。リンパ節転移の可能性が極めて低い条件を満たす場合には、内視鏡治療が検討されます。「がんと診断されたのに内視鏡だけで取れるのか」と驚かれることがありますが、早期胃がんでは深さと転移リスクを見極めた上で、体への負担が少ない治療を選べる場合があります。

ステージⅠ期

ステージ1では、がんが粘膜下層や筋層近くまで進んでいる場合がありますが、リンパ節転移がない、または限られている段階です。条件によっては内視鏡治療が適応になることもありますが、転移リスクがある場合には手術が選ばれます。胃の一部を切除するのか、胃全体を切除するのかは、がんの位置や広がりによって変わります。

ステージⅡ~Ⅲ期

ステージ2からステージ3になると、胃の壁の深い層まで浸潤していたり、リンパ節転移が明らかになったりします。この段階では、手術で胃の病変と周囲リンパ節を切除することが治療の中心になります。

手術で見える病変を取り除けても、目に見えない微小転移が残っている可能性があるため、術後補助化学療法が検討されます。「手術で取れたのに、なぜ抗がん剤が必要なのか」と感じやすいのですが、ここでの薬物療法は再発リスクを下げる目的で行われます。

ステージⅣ期

ステージ4では、肝臓、肺、腹膜、遠隔リンパ節などへの転移がある状態です。この段階では、手術で胃だけを切除しても全身の病気を治すことは難しくなります。そのため、薬物療法を中心に、症状を抑えながら病状をコントロールする治療が行われます。胃の出口が詰まって食事が取れない、出血が続くといった場合には、症状緩和のための手術や内視鏡治療、放射線治療が検討されることもあります。

胃がんのステージは、単なる数字ではありません。どの治療が現実的なのか、治療の目的が根治なのか、再発予防なのか、症状緩和なのかを判断するための基準です。ステージを聞いたときに不安になるのは自然ですが、数字だけで将来を決めつけるのではなく、自分の胃がんがどこまで広がっていて、どの治療で何を目指すのかを確認することが大切です。

胃がん治療の全体像

胃がんは進行度によって治療の目的が大きく変わります。早期でリンパ節転移の可能性が低い場合には、内視鏡治療で胃を温存できることがあります。胃の壁の深い層へ進んでいる場合やリンパ節転移の可能性がある場合には、手術が中心になります。遠隔転移がある場合には、薬物療法を中心に病状をコントロールする治療へ移ります。

胃がん治療で最初に考えるのは「がんを取り切れる状態かどうか」です。内視鏡治療や手術で根治を目指せる場合には、病変を確実に取り除くことが治療の中心になります。ただ、胃がんの手術後は生活変化も大きいため、単にがんを切除できるかだけでなく、食事量、体重減少、ダンピング症状、栄養状態まで含めて考える必要があります。

  • 内視鏡治療

内視鏡治療は、胃を切除せずに病変部分だけを内側から切除する方法です。体への負担は比較的少ない一方で、適応は限られます。がんが浅く、リンパ節転移の可能性が低いと判断される場合に行われます。内視鏡で取れたように見えても、病理検査で深く浸潤していたり、リンパ管や血管への侵襲が見つかったりすると、追加手術が必要になることがあります。

  • 手術

手術では、胃の一部または全体を切除し、周囲のリンパ節も一緒に切除します。がんの場所によって、幽門側胃切除、噴門側胃切除、胃全摘などが選ばれます。胃を切除すると、食べ物をためる機能が弱くなり、一度に食べられる量が減ります。食後の動悸、冷や汗、眠気、下痢などが出ることもあります。胃がん手術は「がんを取る治療」であると同時に、「食べ方を変える生活の始まり」でもあります。

  • 薬物療法

薬物療法は、進行胃がんや再発胃がんで中心になる治療です。手術後の再発予防として行われることもあります。近年は、従来の抗がん剤だけではなく、HER2を標的とした治療、免疫チェックポイント阻害薬、CLDN18.2などを標的とした新しい治療選択も登場し、胃がんの薬物療法は大きく変化しています。ただし、すべての患者に同じ薬が使えるわけではありません。がんの性質や検査結果、体力、臓器機能、副作用の許容度を見ながら選択します。

  • 栄養管理・支持療法

胃がん治療では、栄養管理と支持療法も非常に重要です。胃を切除した後は体重が落ちやすく、食事量が戻らない患者もいます。薬物療法中も食欲低下、吐き気、味覚変化、下痢、しびれなどで生活が大きく変わることがあります。治療を続けるには、がんを攻撃する治療だけでなく、食べる力、動く力、眠る力を支える医療が必要になります。

胃がん治療で大切なのは、「標準治療を受けるかどうか」だけではありません。今の病状で治療の目的は何か、その治療によって何が期待でき、どんな生活変化が起こるのかを理解することです。治療は医師だけが決めるものではなく、患者自身が生活の中で続けていくものです。だからこそ、治療効果だけでなく、食事、体力、仕事、家族との生活を含めて考えることが重要になります。

各治療法の詳細

胃がんの治療は「どの治療が強いか」を選ぶものではありません。がんが胃の壁のどの深さまで入り込んでいるのか、リンパ節転移や遠隔転移があるのか、内視鏡で安全に切除できるのか、手術で取り切れるのか、薬物療法で全身の病気として抑えるべき段階なのかによって、治療の目的そのものが変わります。

国立がん研究センターのがん情報サービスでも、胃がん治療はステージ、がんの性質、体の状態などに基づいて、内視鏡治療、手術、薬物療法、免疫療法、緩和ケア/支持療法などを検討すると説明されています。

参考:国立がん研究センターがん情報サービス 胃がん治療

内視鏡治療

胃がんが最も早い段階に見つかった場合、内視鏡治療が検討されます。これは胃カメラを使って胃の内側から病変を切除する治療で、腹部を切開せず、胃を大きく失わずに済む可能性があります。国立がん研究センター中央病院でも、内視鏡治療は胃を温存でき、治療後の食事や生活の質を高く維持しやすい治療だと説明しています。

参考: 国立がん研究センター中央病院 | 胃がんの内視鏡治療について 

ただし、胃がんであれば誰でも内視鏡で取れるわけではありません。内視鏡治療が成立するためには、がんが浅い層にとどまっており、リンパ節転移の可能性が極めて低いと判断できる必要があります。胃がんは粘膜から発生しますが、粘膜下層へ深く入り込むほどリンパ管や血管へ到達しやすくなり、リンパ節転移の可能性が出てきます。内視鏡で胃の表面の病変だけをきれいに切除できても、すでにリンパ節へ広がっていれば根治にはなりません。ここが、患者側にとって分かりにくいところです。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

内視鏡治療には、内視鏡的粘膜下層剥離術、いわゆるESDが広く行われています。病変の下に薬液を入れて浮かせ、粘膜下層を慎重にはがしながら病変を一括で切除します。病変を一つの標本として取り出せるため、切除後に本当に取り切れているか、がんがどの深さまで入っていたか、リンパ管や血管への侵襲がないかを病理検査で確認できます。

内視鏡で取れた場合でも、その場で完全に終わりではなく、切除後の病理結果によって追加手術が必要になる場合があります。術前には浅いがんに見えていても、病理で粘膜下層へ深く浸潤していたり、リンパ管や血管への侵襲が見つかったり、切除断端にがんが残っている可能性が示されたりすると、リンパ節転移リスクを考えて手術が勧められることがあります。

内視鏡治療は「負担の少ない治療」ではありますが、どんな胃がんにも使える簡単な治療ではありません。それでも、適応を満たした早期胃がんでは、内視鏡治療の価値は非常に大きいです。

胃を温存できるため、胃切除後の食事量低下、体重減少、ダンピング症状といった生活変化を避けられる可能性があります。だからこそ胃がんは、症状が出る前、または症状が軽い段階で見つけることが大きな意味を持ちます。胃の不調が続くときに検査を先延ばしにするか、内視鏡で確認するかによって、治療の負担が大きく変わることを覚えておいてください。

手術治療

がんが粘膜下層へ進んでいる場合や、リンパ節転移の可能性がある場合、治療の中心は手術になります。胃がん手術では、胃の病変だけをくり抜くのではなく、がんのある胃の範囲と周囲のリンパ節を一緒に切除します。胃がんはリンパ節へ広がることがあるため、画像で明らかな転移が見えなくても、一定範囲のリンパ節郭清が必要になる場合があります。

幽門側胃切除・噴門側胃切除・胃全摘

手術方法は、がんの位置によって変わります。胃の出口側にできた場合は幽門側胃切除が検討され、胃の入り口側では噴門側胃切除が選ばれることがあります。胃の広い範囲に病変がある場合や、胃の上部から中央にかけて広がる場合には、胃全摘が必要になることもあります。患者にとって大きな不安は「どれくらい胃が残るのか」「食事はどうなるのか」という点です。

胃は、食べ物を一時的にため、少しずつ小腸へ送る役割を持っています。胃を切除すると、この貯留機能が弱くなります。そのため術後は、一度に食べられる量が減り、少量ずつ何回かに分けて食べる生活へ変わることがあります。食後に動悸、冷や汗、腹痛、下痢、眠気が出るダンピング症候群に悩む患者もいます。胃全摘後では、体重減少や栄養不足、ビタミンB12欠乏による貧血にも注意が必要になります。

胃がん手術は、根治を目指す治療であると同時に、術後の食べ方、体重、体力、仕事復帰に長く影響する治療です。患者によっては、退院後に「思っていたより食べられない」「外食が怖い」「食後に動けなくなる」と感じることがあります。手術前に聞いていた説明と、実際の生活のギャップに戸惑う人もいます。

腹腔鏡手術・ロボット支援手術

現在は、腹腔鏡手術やロボット支援手術など、体への負担を減らす手術も広がっています。傷が小さく、術後回復が早いケースもあります。ただし、低侵襲手術であっても、胃を切除すること自体は変わりません。腹部の傷が小さくても、胃の機能変化、食事量低下、体重減少への対応は必要になります。「傷が小さいから軽い治療」と考えると、術後生活の準備が不十分になることがあります。

術後補助化学療法

手術後に病理検査で実際のステージが確定すると、術後補助化学療法が検討されることがあります。患者としては「手術で全部取れたのに、なぜ抗がん剤が必要なのか」と感じやすい部分です。ここでの薬物療法は、見えている病変を小さくするためではなく、目に見えない微小ながん細胞による再発リスクを下げるために行われます。手術は局所の病気を取り除く治療であり、術後補助療法は全身に残っているかもしれない病気へ備える治療です。

薬物療法

胃がんの薬物療法は、再発予防として行われる場合と、切除不能・再発胃がんに対して病状をコントロールする目的で行われる場合があります。以前は「胃がんの抗がん剤」として一括りに考えられがちでしたが、現在はがんの分子特性を調べた上で薬を選ぶ時代に入っています。

手術後の補助化学療法

前述の通り、手術後の補助化学療法は病理ステージや再発リスクに応じて治療が検討されます。胃切除後は食事量が減りやすく、体重も落ちやすいため、その状態で薬物療法を続けるには栄養管理や副作用対策が非常に重要になります。

切除不能・再発胃がんの薬物療法

切除不能・再発胃がんでは、薬物療法が治療の中心になります。この段階では、手術で胃だけを切除しても全身の病気を治すことが難しいため、全身に作用する治療で病状を抑えることを目指します。現在の治療では、HER2、PD-L1、MSI、CLDN18.2などの検査結果が治療選択に関わります。

日本胃癌学会は、2025年5月にHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃がん/胃食道接合部がんの一次治療におけるペムブロリズマブ、化学療法、トラスツズマブ併用に関するガイドライン委員会コメントを公表しています。

参考:一般社団法人日本胃癌学会|胃癌治療ガイドライン速報

HER2阻害薬

HER2陽性胃がんでは、トラスツズマブなどHER2を標的とした治療が重要になります。HER2は乳がんでも知られる分子ですが、胃がんでも一部の患者でHER2陽性となり、治療選択に関わります。HER2陽性かどうかを調べないままでは、使える可能性のある治療を見逃すことになります。

免疫チェックポイント阻害薬

免疫チェックポイント阻害薬も、胃がん薬物療法の中で重要な位置を占めるようになっています。ただし、免疫療法は「免疫を高める安全な治療」という単純なものではありません。効果が期待できる患者を見極めるために、PD-L1やMSIなどの情報が参考になります。

副作用として、肺炎、腸炎、肝機能障害、内分泌障害など、免疫が過剰に働くことによる症状が出る場合があります。抗がん剤とは違う副作用の出方をするため、「熱がある」「下痢が続く」「息苦しい」といった変化を我慢しないことが大切です。

CLDN18.2抗体薬

近年注目されているのが、CLDN18.2を標的とした治療です。CLDN18.2は胃がん細胞に発現することがある分子で、HER2陰性の進行胃がんでも治療選択に関わる可能性があります。

国立がん研究センターは2026年に、CLDN18.2陽性かつHER2陰性の切除不能または転移性胃・食道接合部・食道腺がんに対するゾルベツキシマブ、ニボルマブ、化学療法併用の研究について公表しています。

参考:国立がん研究センター|クローディン 18.2 陽性 HER2 陰性進行胃がんに対するゾルベツキシマブ+化学療法+ニボルマブ併用療法が有効な可能性

薬剤の適応について

薬の名前が増えるほど「自分にもすべて使えるのでは」と感じてしまいますが、実際には、HER2陽性か、CLDN18.2陽性か、MSI-highか、PD-L1発現がどうか、全身状態が保たれているかによって、使える治療は変わります。新しい薬があることと、自分に適応があることは同じではありません。

副作用と治療継続の判断

薬物療法で忘れてはいけないのは、胃がんは「食べる力」が治療継続に直結することです。吐き気、食欲低下、口内炎、下痢、味覚変化、しびれ、倦怠感が出ると、食事量がさらに落ちます。胃切除後の患者では、もともと少量しか食べられない状態に薬の副作用が重なり、体重減少や筋力低下が進むことがあります。

薬物療法は、がんを抑える治療であると同時に、栄養状態を守りながら続ける治療です。副作用が強い場合には、減量、休薬、薬剤変更、支持療法の追加が検討されます。予定通り続けることだけが正解ではなく、続けられる形へ調整することも治療の一部となります。

放射線治療と症状緩和のための治療

胃がんでは、乳がんや前立腺がんのように放射線治療が根治治療の中心になることは多くありません。胃は動きがあり、周囲に腸や肝臓などの臓器もあるため、放射線治療を根治目的で使う場面は限られます。ただし、症状を和らげる目的では非常に重要な役割を持つことがあります。

胃がんから出血が続いて貧血が進む場合、内視鏡治療や薬物療法だけでは出血を十分に抑えられないことがあります。そのような場面で、放射線治療によって出血量を減らし、輸血の頻度を下げることを目指す場合があります。骨転移による痛みが強いときにも、放射線治療によって痛みが軽くなり、歩行や睡眠が改善することがあります。

胃空腸バイパス手術・消化管ステント留置術

胃の出口が狭くなって食事が通らない場合には、胃空腸バイパス手術やステント治療が検討されることがあります。ここでの目的は、がんを完全に取り切ることではありません。食べ物が通る道を確保し、吐き気や嘔吐を減らし、食事を少しでも取れるようにすることです。進行胃がんでは、根治だけを治療の成功と考えると、患者の生活を支える治療の意味を見落としてしまいます。

緩和ケア

緩和ケアも同じです。緩和ケアは「治療をやめた人のもの」ではありません。国立がん研究センターのがん情報サービスでも、胃がんでは診断されたときから心身のつらさを和らげる緩和ケア/支持療法を受けることができると説明されています。

胃がんでは、痛みだけでなく、食べられないつらさ、吐き気、体重減少、不眠、不安、治療継続への迷いが生活全体を苦しくします。がんを小さくする治療だけでは、患者の毎日は支えきれません。栄養士、薬剤師、看護師、リハビリスタッフ、緩和ケアチームが関わりながら、食事、体力、症状、気持ちを支えることが必要になります。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス 緩和ケア/支持療法

先進医療・自由診療・新しい治療をどう見るか

胃がんについて調べていると、先進医療、免疫療法、といった言葉に出会います。標準治療だけでは不安が残る患者ほど、こうした言葉に期待を持ちやすくなります。ただ、治療名が新しく見えることと、標準治療より有効性が高いことは同じではありません。

日本胃癌学会は、胃がん治療ガイドラインを公開しており、一般向けにも胃がん治療を理解するための情報を提供しています。標準治療は、過去の治療を漫然と続けているものではなく、臨床試験の結果や新しい薬剤の登場に応じて更新されていくものです。

参考:一般社団法人日本胃癌学会|ガイドライン

新しい治療を検討するときに確認すべきなのは、「標準治療ではないから特別なのか」ではありません。自分の胃がんに適応があるのか、どの検査結果に基づいて使うのか、標準治療と比べてどの程度の効果が示されているのか、副作用は何か、費用負担はどれくらいか、標準治療の開始を遅らせるリスクがないかを確認する必要があります。

胃がんの治療で大切なのは、選択肢を増やすこと自体ではありません。自分の病状に対して医学的に意味のある選択肢を見極めることです。広告や体験談で「効いた人がいる」と書かれていても、それが自分の胃がんに当てはまるとは限りません。気になる治療がある場合は、主治医に治療名を伝え、その治療の根拠、適応、標準治療との関係を確認することが現実的です。

副作用と生活への影響

胃がん治療では、治療効果だけでなく、治療後の生活をどう維持していくかも重要になります。特に胃は「食べること」に直接関わる臓器のため、治療によって食事や体力に影響が出ることがあります。

手術後の影響

変化を感じやすいのは、やはり胃切除後です。胃を部分的に切除した患者でも「少し食べただけですぐ苦しくなる」と話すことがあります。以前と同じ感覚で食べると、膨満感や吐き気が出てしまい、食事を途中でやめるようになることもあります。

胃全摘後では、食事のペースそのものが変わります。「食べること自体が仕事みたいになった」と表現する患者もいます。少量ずつ何回にも分けて食べないと体がついていかず、外食を避けるようになる人もいます。

周囲から見ると普通に生活しているように見えても、本人は「食べるだけで疲れる」と感じているケースもあります。食後に冷や汗、動悸、腹痛、眠気、下痢などが出るダンピング症候群も、胃切除後によくみられる症状です。食後しばらく横にならないと動けないという悩みもよくみられます。

体重減少が続くことも少なくありません。「手術が終われば自然に戻ると思っていた」という患者もいますが、術前の体重まで戻らないということも多いです。筋力低下によって、以前より疲れやすくなったと感じる人もいます。

また、胃全摘後ではビタミンB12吸収障害による貧血が問題になることがあります。胃にはビタミンB12吸収に必要な因子を分泌する役割があるため、長期的に補充治療が必要になる場合もあります。

薬物療法の副作用

一方、薬物療法では別の負担があります。胃がんの抗がん剤治療では、吐き気、食欲低下、倦怠感、口内炎、下痢、味覚変化、しびれなどがみられ、特につらくなりやすいのは「食べないと体力が落ちる」と分かっていても食べられない時です。においだけで気分が悪くなる人もいますし、「好きだったものほど受け付けなくなった」と話す患者もいます。

胃がんや大腸がん、膵がんなどにも用いられるオキサリプラチン(商品名:エルプラットなど)では、末梢神経障害が問題になることがあります。冷たいものに触れた時にしびれや痛みが出やすくなり、冬場に水道へ触れるのがつらくなる人もいます。ボタンを留める、文字を書くといった細かい作業が負担になることもあります。

現在は、副作用を我慢しながら治療を続けるのではなく、症状を調整しながら治療継続を目指す考え方が一般的です。制吐薬などの支持療法を組み合わせたり、薬剤量や投与間隔を調整したりしながら治療を行うことがあります。胃がんの治療では「がんを抑えること」だけでなく、「体力を維持しながら続けられるか」も重要です。

生活面への影響

胃がん治療中・治療後は生活面への影響も小さくありません。脱毛のように見た目へ大きな変化が出ない場合でも、食後の不調や慢性的な疲労感によって、以前と同じ生活が難しくなる人はいます。職場復帰後に、長時間勤務や会食が負担になることもあります。周囲からは「元気そう」と思われていても、本人は食事のたびに体調を気にしながら生活していることがあります。

治療後は「完全に元通りへ戻す」というより、今の体調に合わせながら生活を立て直していく感覚に近いかもしれません。食事回数を増やす、栄養補助食品を使う、無理のない働き方へ調整する、リハビリで筋力低下を防ぐ。そうした工夫を続けながら生活リズムを整えていくことも必要です。

胃がん治療は、腫瘍の大小や腫瘍マーカーの数値だけを見ていればよいわけではありません。食事、体力、仕事、社会生活まで含めて、どのように生活を維持していくかも大切なテーマになります。

ステージ別の生存率と予後

胃がんの予後を考えるとき、まず確認したいのは「全体の平均」ではなく、「自分のステージではどの程度の見通しなのか」です。

国立がん研究センターのがん統計では、胃がん全体の5年相対生存率は66.6%とされています。これは2009〜2011年診断例をもとにした地域がん登録のデータです。ただ、この66.6%という数字だけでは、胃がんの実態はほとんど分かりません。胃がんはステージによって生存率が大きく変わるからです。

出典:国立がん研究センター がん統計 [胃]

ステージ別5年生存率

院内がん登録の全国集計をもとに整理されたデータでは、2015年診断例の5年生存率は、ステージⅠで82.0%、ステージⅡで59.7%、ステージⅢで37.5%、ステージⅣで6.2%とされています。

ステージ別10年生存率

10年生存率では、2012年診断例でステージⅠが64.6%、ステージⅡが44.0%、ステージⅢが25.2%、ステージⅣが3.4%と整理されています。

出典:がん情報サービス 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム

この差を見ると、胃がんでは「どの段階で見つかるか」が治療後の見通しに大きく関わることが分かります。

ステージⅠの予後

ステージⅠでは、がんが比較的浅い層にとどまり、リンパ節転移がない、または非常に限られている状態です。この段階では、条件を満たせば内視鏡治療で根治を目指せる場合があります。手術が必要になる場合でも、切除によって長期生存が期待できるケースが多くなります。

5年生存率82.0%という数字は、早期発見の意味を非常にはっきり示しています。ただし、ここで誤解してはいけないのは、「ステージⅠなら安心」という意味ではないことです。内視鏡治療後にも追加手術が必要になるケースはありますし、胃を残した場合には別の場所に新たな胃がんが見つかることもあります。早期であっても、治療後の内視鏡フォローは重要です。

ステージⅡの予後

ステージⅡになると、がんが胃の壁の深い層へ進んでいたり、リンパ節転移を伴っていたりする状態が含まれます。5年生存率は59.7%とされ、ステージⅠから大きく下がります。

この段階では、手術によって目に見える病変を取り除ける可能性がありますが、すでに微小転移が存在している可能性も考える必要があります。そのため、手術後に補助化学療法が検討されます。

患者側は「手術で取り切れたのに、なぜ抗がん剤が必要なのか」と感じることがあります。けれどもステージⅡでは、再発を防ぐために『見えないがん細胞』へ備える治療が重要になります。10年生存率44.0%という数字は、根治が期待できる患者が多い一方で、再発リスクを軽く見てはいけない段階であることを示しています。

ステージⅢの予後

ステージⅢでは、がんがさらに深く進んでいたり、リンパ節転移が広がっていたりする状態になります。5年生存率は37.5%、10年生存率は25.2%とされ、ステージⅡよりもさらに厳しい数字になります。

この段階では、手術で切除できる場合でも、手術だけで十分とは考えにくくなります。胃の病変とリンパ節を切除しても、目に見えない微小転移が残っている可能性が高くなるため、術後補助化学療法が治療成績に関わります。

患者にとってステージⅢという言葉は強い不安を伴いますが、「すぐに何もできない」という意味ではありません。むしろ、手術、薬物療法、栄養管理、再発監視を組み合わせながら、どこまで再発リスクを下げられるかを考える段階です。数字だけを見ると厳しく感じますが、治療を受けられる体力があるか、栄養状態を維持できるか、術後治療を続けられるかによって実際の経過は変わります。

ステージⅣの予後

ステージⅣでは、肝臓、腹膜、肺、遠隔リンパ節などへの転移がある状態です。5年生存率は6.2%、10年生存率は3.4%とされ、他のステージと比べて大きく低下します。

胃がんのステージⅣで特に問題になりやすいのが腹膜播種です。腹膜播種があると、腹水がたまる、腸が動きにくくなる、食事が通りにくくなるといった症状につながることがあります。胃がんは食事と体力に直結するため、転移そのものだけでなく、「食べられなくなること」が治療継続を難しくします。

ただ、ステージⅣの数字を見るときにも注意が必要です。5年生存率6.2%という数値は非常に厳しい現実を示していますが、一方で、それは「すべての患者が同じ経過をたどる」という意味ではありません。

HER2陽性胃がんではHER2標的薬が使われることがありますし、PD-L1発現やMSIの状態によって免疫チェックポイント阻害薬が治療選択に入ることがあります。近年はCLDN18.2を標的とした治療も登場し、胃がんの薬物療法は少しずつ個別化されています。治療がよく効き、一定期間外来通院を続けながら生活できる患者もいます。数字は厳しいものの、治療選択肢がまったくないという意味ではありません。

生存率を見るときに大切なこと

胃がんの生存率を見るときに大切なのは、「平均値」と「個人の見通し」を混同しないことです。生存率は、多くの患者を集計した結果です。年齢、体力、栄養状態、持病、がんの場所、組織型、腹膜播種の有無、肝転移の数、薬物療法への反応、副作用で治療を続けられるかによって、実際の経過は大きく変わります。

特に胃がんでは、栄養状態が予後に強く関わります。同じステージでも、食事がある程度取れて体重を維持できる患者と、食事摂取が急速に落ちて体力が低下する患者では、治療継続のしやすさが変わります。

また、5年生存率だけを見ると、胃がんの時間的な経過を見誤ることがあります。胃がん診断後、比較的早い時期に再発や進行が問題になるケースがあり、一定期間を乗り越えるとその後の見通しが変わる場合もあります。これはサバイバー生存率という考え方にも関係します。

国立がん研究センターのがん情報サービスでは、診断から一定年数後に生存している人に限って、その後の生存率を見るサバイバー生存率も紹介しています。

参考:国立がん研究センター がん統計 [胃]生存率

生存率だけがすべてではない

胃がんのステージ別予後は、患者にとって重い情報です。特にステージⅣの数字は、不安を強める可能性があります。それでも数字を避けてしまうと、治療選択の現実が見えにくくなります。

大切なのは、数字で将来を決めつけることではなく、今の病状を正確に理解することです。自分の胃がんがステージⅠなのか、Ⅱなのか、Ⅲなのか、Ⅳなのか。切除できる状態なのか。術後補助化学療法が必要なのか。薬物療法ではどの分子マーカーが関係するのか。食事や体力をどう維持するのか。こうした点を一つずつ確認することで、生存率の数字は単なる不安材料ではなく、治療方針を考えるための手がかりになります。

標準治療の限界

現在の胃がん診療では、標準治療が治療の中心になります。標準治療とは、多数の臨床試験をもとに、有効性と安全性のバランスが確認され、「現時点で最も推奨される」と考えられている治療です。手術、術後補助化学療法、HER2標的薬、免疫チェックポイント阻害薬なども、長年のデータを積み重ねながら標準治療として位置づけられてきました。

ただ「標準治療を受ければ必ず治る」という意味ではありません。実際には、胃がんの標準治療にも明確な限界があります。もっとも大きい限界の一つが「見えている病気」と「実際に体内へ広がっている病気」が一致しないことです。

CTに映らないマイクロ転移

手術前のCTで明らかな転移が見えなくても、腹膜へ微小な播種が存在している場合があります。手術前には切除可能と判断されていても、実際に開腹して初めて腹膜播種が見つかり、予定していた根治手術を断念せざるを得ないケースもあります。

これは特に「手術できると言われていたのになぜ」と患者が大きなショックを受ける場面です。しかし現在の画像診断でも、腹膜へ散らばったごく小さな病変を完全に見つけ切ることはできません。胃がんでは、この『見えない広がり』が予後へ大きく関わります。

また、仮に手術で取り切れたように見えても、それで「完全に終わり」とは限りません。ステージⅡやⅢでは、術後補助化学療法を行っても再発する患者がいます。これは「治療が間違っていた」という意味ではありません。診断時点ですでに、画像に映らないレベルの微小転移が存在していた可能性があります。

腹膜播種による日常生活への影響

胃がんでは、腹膜再発が問題になることも少なくありません。腹膜へ再発すると、腹水が増えたり、腸の動きが悪くなったり、食事が通りづらくなったりします。胃がんが特につらく感じられるのは「がんが大きくなること」そのものより「食べられなくなること」が生活へ直結するためです。少し食べただけで苦しくなる、水分しか通らなくなる、急激に体重が落ちる、そうした形で日常生活が大きく変わっていくことがあります。

実際の診療でも、「薬があるかどうか」だけではなく、「その治療を続けられる体力が残っているか」が大きな問題になります。たとえば、食事摂取がほとんどできない、体重減少が続く、筋力低下が強い、短期間で入退院を繰り返す、長時間起きていることが難しい、といった状態になると、抗がん剤そのものを継続することが難しくなる場合があります。

抗がん剤への薬剤耐性

体力の問題だけでなく、薬剤耐性によって治療効果が徐々に弱くなっていくケースもあります。一次治療では病状が安定していても、二次治療、三次治療へ進むにつれて、効果と副作用のバランスが難しくなる場面があります。そのため「どこまで積極的な治療を続けるか」を常に考えながら治療方針を調整する必要があります。

「積極的な抗がん剤治療が難しくなる=何もできなくなる」と誤解されてしまうかも知れませんが、実際にはそうではありません。食事を通しやすくするためのステント、バイパス術、腹水による苦しさを和らげる処置、痛みや出血を抑える放射線治療、栄養管理、症状緩和なども、胃がん診療では非常に重要です。

治療の転換点

実際の診療現場では「がんを治すこと」を目標にする段階から、「がんと付き合いながら生活を維持する」段階へ切り替わる場面があります。これは患者にとって非常につらい転換点です。

多くの患者は「次の治療をやればまた治るのでは」と期待します。しかし現実には、抗がん剤が効かなくなってきた、薬剤耐性が出てきた、副作用で体力低下が強い、食事摂取が難しい、短期間で病状進行を繰り返す、といった状況になると、「腫瘍を完全に消す」ことより「症状を抑えながら生活を維持する」ことが現実的な目標になっていきます。

根治が難しくなった後も、食事を通しやすくする、吐き気を減らす、痛みを抑える、腹水を調整する、通院可能な体力を維持する、自宅生活を長く続ける、といったことは生きていく上で極めて重要な要素です。

胃の出口が狭くなった場合には、ステントやバイパス術で食事を通しやすくすることがあります。腹水による苦しさを和らげる処置が必要になる場合もあります。放射線治療で出血や痛みを抑えることもあります。この段階では「どう生活を支えるか」が非常に大きなテーマなのです。

「新しい治療」と「有効な治療」

一方で、病状が進んだ時期ほど「もっと強い治療があるのではないか」と考える患者も少なくありません。インターネット上では「末期ガンから生還」「ステージ4でも完治」「独自の特殊免疫療法」といった言葉を目にすることがあります。

もちろん、新しい治療そのものを否定するわけではありません。実際、HER2標的薬や免疫チェックポイント阻害薬も、かつては新しい治療でした。ただ「新しい治療」であることと「自分の胃がんへ本当に有効」であることは別問題です。

特に胃がんでは、治療の副作用によって食事がさらに取れなくなれば、かえって生活の質を大きく落としてしまう可能性があります。そのため「どこまで積極治療を行うか」を常に考え続けます。治療を続けることで本当に利益があるのか。副作用と効果のバランスは取れているのか。今の患者に必要なのは、さらに強い治療なのか、それとも症状緩和や栄養維持なのか。

こうした判断は「諦めるかどうか」という単純な話ではありません。胃がん診療で本当に難しいのは、「治療を続けること」そのものではなく「何を優先する段階なのか」が変化していくことなのです。

長く生きることを最優先にする時期もあります。食べることを守ることが最優先になる時期もあります。自宅で過ごす時間を大事にしたい患者もいます。

「標準治療を最後までやり切ること」だけが正解とは限りません。今の病状では何が現実的なのか。どこまで体力を維持できるのか。どんな生活を守りたいのか。そうした点を含めて、治療の目的そのものを調整していくことが重要になってきます。

再発と転移

胃がん治療を終えた患者が、その後もっとも強く不安を抱えやすいのが「再発」の問題です。

特に手術を受けて「がんは取り切れた」と説明された後ほど、再発への恐怖が強くなることがあります。治療中は目の前の手術や抗がん剤へ集中していた患者でも、治療が終わって日常へ戻り始めた頃に「また見つかったらどうしよう」という不安が現れることがあります。

実際、胃がんは治療後も長期間にわたって経過観察が続きます。特にステージⅡやⅢでは、手術と術後補助化学療法を行っても再発するケースがあります。「全部取ったはずなのに、なぜ再発するのか」と感じる患者もいます。

再発とは「手術が失敗した」という単純な意味ではありません。診断時点ですでに、画像には映らないレベルの微小転移が存在している場合があります。現在のCTやPET-CTでも、それを完全に見つけ切れるわけではありません。術後補助化学療法は、そうした『見えていない病気』も想定しながら行われていまが、それでもすべての微小転移を完全に抑え切れるとは限りません。

胃がんの再発と転移先の症状

再発というと「もう一度胃にできること」をイメージする人もいますが、実際には再発の形はさまざまです。

腹膜再発

胃がんで特に問題になりやすいのは、腹膜への再発です。がん細胞が腹膜へ広がることで、腹水が増えたり、腸の動きが悪くなったり、食事が通りづらくなったりします。

肝転移

肝転移も比較的多い再発形式です。初期には症状がほとんどなく、定期CTや採血異常で見つかることもあります。進行すると、倦怠感、黄疸、食欲低下などがみられる場合があります。

肺転移

肺転移では、咳や息切れがきっかけになることがありますが、小さい段階では無症状のまま経過することもあります。

骨転移

骨転移では、腰痛や背部痛を「年齢のせい」「疲労」と考えてしまう患者もいます。もちろん、すべての痛みが転移ではありません。ただ、胃がん既往がある患者では「いつもと違う痛みが長く続いているか」が重要になります。

経過観察の重要性

かなり進行するまで自覚症状が目立たない再発もあります。そのため治療後は、診察、採血、CT検査などを組み合わせながら経過をみていきます。

「検査のたびに不安になる」という患者も少なくありません。診察日が近づくと落ち着かなくなる人もいますし、少し食欲が落ちただけで「再発ではないか」と考えてしまう人もいます。こうした不安は珍しいものではありません。胃がんでは「治療が終わった=心理的にも完全に終わる」というわけではないためです。

再発後の治療

再発が見つかった場合でも「すぐに何もできなくなる」と決まっているわけではありません。現在は、再発後にも薬物療法、放射線治療、症状緩和、栄養管理など、さまざまな治療選択があります。HER2陽性ならHER2標的薬が検討される場合がありますし、PD-L1発現やMSI状態によっては免疫チェックポイント阻害薬が治療選択へ入ることがあります。

胃の通過障害が強い場合には、ステントやバイパス術によって食事を通しやすくすることがあります。腹水による苦しさを和らげる処置が必要になる場合もあります。再発後は「がんを完全になくすこと」だけではなく、「食事を続けられるか」「自宅で過ごせるか」「通院できる体力を維持できるか」といった点も重要になります。

実際には、薬物療法を調整しながら長期間外来通院を続けている患者もいます。体調に波がありながらも、仕事や自宅生活を維持している人もいます。

すべての患者が同じ経過になるわけではありませんが、現在の胃がん診療は「再発したらすぐ何もできなくなる」という時代ではなくなっています。そのため、再発について考える時には「再発するか、しないか」だけで捉えないことも大切になります。

再発を完全に防ぎ切れる保証はありません。一方で、再発後にも症状を調整しながら生活を続けている患者はいます。だからこそ治療後は、「過度に恐れ続ける」だけではなく、体重減少や食事変化を放置しないこと、気になる症状が続く時には早めに相談することが重要になります。

納得できる治療を選択するために

胃がんは、早期で見つかれば内視鏡治療や手術によって根治を目指せることがあります。実際、日本では検診や内視鏡診断の普及によって、比較的早い段階で見つかる患者もいます。一方で、進行してから見つかる胃がんや、再発した胃がんでは、治療が長期間に及ぶこともあります。

同じ「胃がん」という診断でも、

  • 切除できるのか
  • 転移はあるのか
  • 再発リスクはどの程度なのか
  • 食事や体力をどこまで維持できるのか

によって、現実的な治療方針は変わります。

胃がんの治療は「どの薬を使うか」だけでなく、「今の体で治療を続けられるか」が大きな意味を持ちます。治療効果を優先したい患者もいれば、食事や生活を維持したい患者もいます。副作用をできるだけ避けたい人もいますし、少しでも長く積極的治療を続けたい人もいます。そこに一つの正解があるわけではありません。

だからこそ大切なのは「誰かの正解」を探し続けることではなく、自分の病状では何を優先したいのかを整理しながら治療を考えることです。もし胃がんと診断されたのならば、主治医に「今の病状はどの段階なのか」「治療で何を目指すのか」「効果と副作用のバランスはどうか」「食事や生活へどの程度影響するのか」といった点を確認しておきましょう。

胃がんは、病気だけではなく生活そのものへの影響も小さくありません。胃がんの治療では「治療を受けるかどうか」だけではなく「どう生活を続けていくか」も含めて考えていくことが大切になります。

印環細胞がん(signet-ring cell carcinoma/SRCC)は、胃がんの中でも特徴的な病理型のひとつで、細胞内の粘液(ムチン)によって顕微鏡で印環状に見えることが名前の由来です。胃がん全体の約10%を占めるとされ、若年層や女性に多い傾向も報告されています。進行するとスキルス胃がんの形態をとることがあり、胃部不快感、腹痛、食欲低下、体重減少、貧血などをきっかけに見つかる場合もあります。

本ページでは、印環細胞がんの特徴や原因、症状、検査(胃カメラ・生検・画像検査)、そして治療の選択肢についてわかりやすく解説します。治療を検討されている方やご家族が、いまの状況に合う選択肢を整理し、納得のいく方針を考えるための一助となれば幸いです。

  • 胃がんの中でも、少し特殊なタイプ(胃がんの約10%)
  • 胃カメラで疑う部分を見つけ、組織を取って調べて確定する
  • 見つかった後はCTなどで広がりを確認し、治療の方針を決めていく

印環細胞がんとは

印環細胞がん( 印環細胞癌、signet-ring cell carcinoma/SRCC)は、胃にできる悪性腫瘍(胃がん)の中でも特徴的な病理型の1つに分類され、胃がん全体の約10%を占めると言われています。

細胞内に多量の粘液(ムチン)を含むことで核が細胞の辺縁に押しやられ、顕微鏡下で指輪(印環)状に見える構造をしています。胃以外にも、大腸や肺など他の臓器にも印環細胞がんが発生することがあります。

発症年齢は一般的な胃がんと比べて比較的若年層や女性に多い傾向があり、発生部位は胃体部から幽門部にかけてみられることが多いとされています。病変が進行すると、胃壁全体が硬く厚くなる「スキルス胃がん」の形態をとることもあります。病変が大きくなるにつれて、胃部不快感、腹痛、食欲低下、体重減少、貧血などの症状が出現し、検査をきっかけに発見される場合もあります。

胃印環細胞がんは、リンパ節転移や腹膜播種を起こしやすい傾向があるため、早期発見と手術・化学療法を組み合わせた集学的治療が重要です。

胃印環細胞がんの予後は病期により大きく変わります。リンパ節転移や遠隔転移を伴わない早期胃がんでは、5年生存率は一般に95%以上と報告されており、良好な予後が期待できます。一方で、進行例では5年生存率はおおよそ30〜40%程度に低下し予後不良とされています。

参考:
Signet-ring cell carcinoma of the stomach: Impact on prognosis and specific therapeutic challenge|PubMed Central(PMC)
Effect of double-layer structure in intramucosal gastric signet ring cell carcinoma on lymph node metastasis: a retrospective, single-center study|京都大学学術情報リポジトリ KURENAI
胃印環細胞癌の臨床病理学的検討|CiNii Research
Molecular profiling of signet-ring-cell carcinoma (SRCC) from the stomach and colon reveals potential new therapeutic targets|Oncogene(Nature Portfolio)

印環細胞がんの原因

印環細胞がんは、なぜ発症するのかがまだ完全には分かっていないがんです。ただし、これまでの研究から、発症の原因の1つに遺伝(生まれつきの体質)が関与していると報告されています。

特にCDH1遺伝子に異常があると、細胞同士の結びつきが弱くなり、印環細胞がんができやすくなることが知られています。その他にも遺伝子異常によって印環細胞がんを含む胃癌が発生することが分かっています。

印環細胞がんの診断

印環細胞がんは、画像検査、病理検査などを組み合わせて診断します。

診断で最も重要なのが、胃カメラ(内視鏡検査)です。胃カメラでは、胃の中を直接観察し、粘膜の色調や形、硬さなどの変化を詳しく調べます。

内視鏡検査中に異常が疑われる部分が見つかった場合には、その場で組織の一部を採取します。これは生検と呼ばれ、採取した組織を顕微鏡で詳しく調べることで、印環細胞がんかどうかを確定します。細胞の中に粘液がたまり、核が端に押しやられた特徴的な形が確認されると、印環細胞がんと診断されます。この病理検査が、診断を確定するための最も重要な検査です。

がんと診断された後は、病変がどこまで広がっているかを調べるために画像検査が行われます。CT検査などによって、胃の周囲のリンパ節や他の臓器への転移がないかを確認し、必要に応じて腹膜への広がりや腹水の有無も調べます。これらの結果をもとに、がんの進行度である病期(ステージ)が決定され、治療方針が検討されます。

このように、印環細胞がんは診断が難しいがんであるため、血液検査や画像検査、病理診断を組み合わせた丁寧な検査が必要となります。患者様の状態によって実施すべき検査が異なりますので、具体的には消化器外科や腫瘍内科など専門の先生と相談して検査内容や種類を決定していくのがおすすめです。

印環細胞がんの一般的な治療法

胃の印環細胞がんの治療は、がんの進行度(ステージ)や患者さんの全身状態に応じて決定されます。治療の中心となるのは、手術と抗がん剤治療を組み合わせた「集学的治療」です。

がんが胃の粘膜や粘膜下層にとどまっている早期の段階では、手術によってがんを完全に取り除くことで、治癒が期待できます。がんが胃の壁の深い部分まで及んでいる場合や、リンパ節転移の可能性がある場合には、外科手術が治療の中心となります。手術では、がんのある胃の一部、または全体を切除し、周囲のリンパ節もあわせて取り除きます。これにより、目に見えないがんの広がりも含めて治療することを目指します。

進行した印環細胞がんでは、手術だけでなく抗がん剤治療を併用することが一般的です。手術の前に抗がん剤を使用してがんを小さくする場合や、手術後に再発を防ぐ目的で抗がん剤を使用する場合があります。抗がん剤は、体内に残っている可能性のあるがん細胞を抑える役割を果たします。

一方で、腹膜播種や遠隔転移がある場合には、手術による根治が難しいこともあります。その場合は、抗がん剤治療が治療の中心となり、がんの進行を抑えながら症状の改善や生活の質を保つことを目的とした治療が行われます。

印環細胞がんにおける保険診療の限界

印環細胞がんに対する保険診療には、化学療法や手術、放射線療法などがあります。手術法の発達や化学療法・放射線療法の進歩といった医療界の発展により印環細胞がんの治療法が発展してきましたが、保険診療では治療が困難な場合もあります。

実施できる化学療法の制限

保険診療では印環細胞がんで使用できる抗がん剤の数に制限があります。

印環細胞がんではがん細胞のタイプに合わせて様々な抗がん剤を使い分けます。しかし、個人差はありますが通常3~4種類程度しか有効な薬物療法(レジメン)はありません。

そのため、使用できる薬物を使い切った場合、もしくは体に合わない場合には、選択できる薬剤や治療はもう存在しないと医師から言われてしまいます。

また、1個の新しい抗がん剤などの薬物が開発されるまでには10~20年かかると言われているため、治療中に新規抗がん剤が市場に出現することは稀と言えるでしょう。

化学療法の「きつい」副作用

印環細胞がんの化学療法では抗がん剤などを用いますが、その副作用は抗がん剤の種類や患者様により個人差があります。抗がん剤などの一般的な副作用は、嘔気、食欲不振、下痢、手足のしびれ、倦怠感、発疹、貧血、高血圧、脱毛などです。また、使用する薬物療法の種類によっては、命に関わる合併症や副作用が起きるケースもあり、注意が必要です。

患者様の中には、最初は問題なくても副作用がきつく続けられないと感じる方もいらっしゃいます。また、頑張って化学療法を続けていても副作用のせいで日常生活が楽しく送れずに気分が落ち込む患者様もいらっしゃいます。

保険診療ではカバーしきれない印環細胞がんの再発

印環細胞がんを含む胃癌は、再発率が高い腫瘍であるため、手術前後に抗がん剤が用いられることが多いです。進行胃がんにおいて手術のみでの治療した場合は、3年間での無再発率は約60%でしたが、抗がん剤を併用することで、約75%にまで向上しました。

しかし、4人に1人の方はいまだに再発して命を落とすリスクがあるとも言えます。

また、抗がん剤治療はつらい副作用もあるため、体力があまり無い高齢の患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。

参考:海外で行われたCLASSIC試験・国内で行われたJ-CLASSIC-PII試験および胃癌術後補助化学療法におけるオキサリプラチン併用療法に関する日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント|日本胃癌学会

がんの性質に直接アプローチする「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」がおすすめ

近年、発症や進行に関わる分子レベルの異常に着目した核酸医薬が注目され、研究・臨床応用が進んでいます。

がん中央クリニックグループでは、根本的な原因に直接作用することが期待される「アプタマー」「RNA干渉を利用した核酸医薬(siRNA など)」「miR-34a mimic」といった核酸医薬を、新たな治療の選択肢として提供しています。

アプタマー核酸医薬は、がんに特有に発現している異常なタンパク質に結合することで、その働きを抑えてがん細胞の増殖を抑制したり死滅させたりする次世代の治療薬です。

miR-34a mimic 核酸医薬は、がんになって失われた体に本来備わる「がんを抑える力」を取り戻す新しい治療薬であり、がんの成長や増殖を止め、自然ながん細胞の死滅を促します。

以上のような遺伝子レベルでの最新の治療薬をがん中央クリニックグループのクリニックでは実施できます。

欧米では、がんの部位ではなくどのような遺伝子やタンパク質異常があるか、ということに注目して治療法を決定する研究や臨床試験が行われています。日本では一部の遺伝子レベルの治療を保険でも行われていますが、国際的には遺伝子レベルの治療において遅れを取っています。

がん中央クリニックグループのクリニックではいち早く遺伝子レベルの異常に焦点をあてた診察、治療を導入しています。

「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」治療をオススメする患者様

「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は印環細胞がんのほとんどの患者様におすすめできる治療法です。

どのような患者様に効果が期待できるのかを以下に具体的に解説します。ぜひご自身のパターンに合わせて治療をご検討ください。

治療方法がない、標準治療では治療困難な患者様へ

印環細胞がんでは、病状や体力、副作用などの理由で、保険診療の標準治療だけでは選択肢が限られることがあります。そうした場合でも、がんに関わる分子レベルの異常に着目する核酸医薬は、標準治療とは異なるアプローチで治療を提供することが可能です。

核酸医薬(アプタマー、miR-34a mimic)は目立った副作用が現れにくく、「体力がないため抗がん剤はできません」などと説明された方でも、治療の提案が可能です。

さらに、まだ治療ができる体力があるにもかかわらず選択肢がなくなり、緩和を勧められている方にとっても、新たな治療の選択肢として検討いただけます。

がん中央クリニックグループでは、核酸医薬を含め、様々な治療を組み合わせながら患者様の状態や疾患に応じて、患者様一人ひとりに合わせたテーラーメイドのがん治療を提案、提供しています。

保険診療(標準治療)との併用で相乗効果が期待

「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は、印環細胞がんへの化学療法などの薬物療法や放射線療法と併用でき、治療効果として相乗効果が期待できます。

なぜなら、化学療法は産生された印環細胞がんの細胞やたんぱく質に作用しますが、「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は、がん細胞やたんぱく質が産生される前段階に作用するため、印環細胞がんの細胞に対して作用するポイントが異なるからです。

そのため、「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は、抗がん剤治療などの薬物治療や放射線療法といった標準治療を行っている患者様におすすめできる治療法です。印環細胞がんの症例では、手術前や手術後も抗がん剤治療を行う場合がありますが、そのような患者様にもおすすめできます。

がんは放置していると大きくなっていくため、印環細胞がんでは様々な治療法を組み合わせてがんを小さくすることが重要です。標準治療に加えて「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を併用することで、異なる治療手段から印環細胞がんの縮小を目指せます。

印環細胞がんは胃がんの中でも悪性度が極めて高いと言われています。そのため、完治を目指すためには様々な治療法を組み合わせて治療を行うことが重要です。

再発を抑制、防止するため。手術前後のすべての患者様

印環細胞がんが発見され手術を行った場合、3年以内に40%の患者様が再発すると報告されています。

保険診療ではこの高確率での再発を抑制させるため、術前化学療法や術後補助化学療法という抗がん剤治療が勧められるケースが多いです。しかし、特に抗がん剤治療には副作用もあるため、体力があまり無い高齢の患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。

また、抗がん剤治療を併用しても4人に1人の方はいまだに再発するリスクがあります。したがって、印環細胞がん手術前後のあらゆる患者様は「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を併用し、再発する可能性を少しでも低くすることが重要と言えます。

治療継続可能な副作用

「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」には目立った副作用が起こりにくいです。特に、化学療法で起きやすい嘔気、食欲不振、倦怠感、脱毛、貧血、命に関わる副作用などはほとんど起こりません。また、ホルモン治療でものぼせや発汗、血栓症などのリスクがあります。 副作用としては、一時的な微熱、頭痛、アレルギー反応(0.3%以下)などがあります。解熱鎮痛剤など薬物を使う場合もありますが、自然と改善する副作用が大半であり、治療を継続するのに支障をきたしません。

「体力面や仕事面で副作用の不安がある」「標準治療をを続けながら副作用をできるかぎり抑えたい」といった方でも受けていただける治療となっております。

印環細胞がんの完治を目指して保険診療と患者様に合った自由診療を組み合わせるのがおすすめ

印環細胞がんは完治(治癒)を目指せる疾患であり、適切に治療を行うことが重要です。

印環細胞がんの発症要因の1つとして遺伝子異常があるため、保険診療と「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を組み合わせることがおすすめです。保険診療ではカバーできない場合にも、「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を行うことで腫瘍縮小効果や再発抑制効果などが期待できます。

がん中央クリニックグループのクリニックではこのような「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」をはじめ、患者様1人ひとりに合ったがんの自由診療を提案いたします。印環細胞がんの患者様は、どのような状況の場合でも是非お気軽にご相談ください。

腹膜播種(ふくまくはしゅ)とは、がんが腹膜に広がることで起こる転移の一種です。

お腹の中にがん細胞が広がるため、進行すると様々な症状が現れ、治療や予後にも大きな影響を及ぼします。この記事では、腹膜播種の原因や初期症状、診断方法、そして完治の可能性についてわかりやすく解説します。

  • 早期発見が非常に難しいがんの一つ。
  • がん種に応じて様々な遺伝子が高確率で変異を起こしている。
  • 適切な治療をすることで完治が見込める。

腹膜播種とは

出典:腹膜播種とは|日本腹膜播種研究会

腹膜播種とは、元々のがん(原発巣)からがん細胞がお腹の中に脱落した後、腹膜と呼ばれるお腹を覆う膜に定着して増殖し、小さな腫瘍ができた状態です。原発巣としては、胃、大腸、膵臓、卵巣など全身の様々な臓器が報告されています。

腹膜播種の状態になっても初期には症状が現れにくいですが、進行すると腹部膨満(お腹が張る)、腹痛、食欲不振、吐き気などの症状が出現します。

腹膜播種が現れると、原発巣のがん種によっても予後や余命が異なります。例えば胃がんであれば約7ヶ月ですが、卵巣がんでは5年生存する患者様が約半数と報告されています。

参考:
胃癌腹膜播種に特化したアンチセンス核酸医薬開発|AMEDfind
院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 卵巣がん(卵巣癌)|国立がん研究センター

腹膜播種の原因

腹膜播種が発生する原因は、もともとの癌が体のどこかにあることです。このような癌が発生する原因としては、がん種にもよりますが、大きな原因の1つとして「遺伝子変異」があげられます。

遺伝子とは、細胞を作るための情報がつまった部分ですが、この遺伝子が異常になると遺伝子変異が起こり、がんを発症すると報告されています。

腹膜播種を引き起こす胃がんや大腸がん、膵臓がん、卵巣がんで頻度が高い代表的な遺伝子変異としては、「KRAS」「TP53」などがあげられます。

参考:
KRAS, TP53, CDKN2A, SMAD4, BRCA1, and BRCA2 Mutations in Pancreatic Cancer|MDPI
Comprehensive molecular characterization of gastric adenocarcinoma|nature
The consensus molecular subtypes of colorectal cancer|nature

腹膜播種の診断

腹膜播種は早期発見が非常に難しいがんの一つであり、診断には腫瘍マーカーを測定する血液検査や、お腹の中である腹腔内を観察する画像検査や腹腔鏡検査など複数の手法を組み合わせて行われます。

腹膜播種は微細な結節で見つけにくいことも多く、正確な診断には工夫と複数の検査の組み合わせが必要です。

血液検査では、腫瘍マーカーと呼ばれるそれぞれのがんで異常を認めやすいタンパク質などを測定します。画像検査では、造影CT検査・MRI検査・PET検査・超音波検査などを行います。また、腹腔内を直接観察する腹腔鏡検査や、腹水が貯留している場合は、腹水内に含まれるがん細胞を採取して顕微鏡検査を行う場合があります。

患者様の状態によって実施すべき検査が異なりますので、具体的には主治医の先生と相談して検査内容や種類を決定していくのがおすすめです。

腹膜播種の一般的な治療法

腹膜播種に対して実施される一般的な保険診療での治療としては、完治(根治)できる状態であれば、手術を行います。ただし、元々のがん種によって治療法が異なり、腹膜播種が少しでもあれば外科的な手術は適応がないとして化学療法などの薬物療法や放射線療法を行う施設もあります。

また、手術も患者様の体に負担をかけるため、ある程度体力があることが望まれます。
そのため、体力があまり無い患者様や、様々な病気をお持ちで手術が危険だと判断される患者様には手術の対象とならない場合があります。

さらに、手術で目に見える範囲の腹膜播種を切除できたとしても、目に見えない微小病変が残っていることで再発リスクが高い状態です。例えば、胃がんであれば腹膜播種が少量しか認めない場合でも約30~50%、大腸癌であればごくわずかな腹膜播種しか認めない患者様で約20~30%、卵巣がんでは約30~70%と報告されています。

このように、手術後も再発リスクが高いため、手術後に再発しないように抗がん剤治療が勧められるケースが多いです。ただし、抗がん剤治療にはつらい副作用もあるため、体力があまり無い患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。

また、腹膜播種が発見されて手術を実施できない患者様には、抗がん剤治療などの化学療法や抗がん剤を直接腹腔内に注入する腹腔内化学療法を実施します。このような治療を組み合わせることで寛解を目指せることもあります。

以上のような点から、腹膜播種は難治性のがんの状態だということが分かります。

参考:
Peritonectomy procedures|PubMed
A comprehensive treatment for peritoneal metastases from gastric cancer with curative intent|PubMed
A comprehensive overview of ovarian cancer stem cells: correlation with high recurrence rate, underlying mechanisms, and therapeutic opportunities|BMC

 

腹膜播種は寛解が期待できる状態

腹膜播種は寛解を見込める状態です。

腹膜播種が発見された時にはすでに元あるがんから転移を起こしている状態であるため、いわゆる進行がんの状態ではありますが、様々な化学療法や手術、放射線療法などを組み合わせることで治癒も十分に期待できます。

また、がん中央クリニックグループでは、患者様の状態や目的に応じて、核酸医薬(アプタマー、RNA干渉、miRNA mimic)を治療計画の一部としてご提案しています。ぜひ一度お問い合わせください。

腹膜播種に対する保険診療の限界

腹膜播種に対する保険診療には、化学療法や手術、放射線療法などがあります。手術法の発達や化学療法・放射線療法の進歩といった医療界の発展によりがん治療(手術、薬物療法、放射線療法)は発展してきましたが、、保険診療では治療が困難な場合もあります。

実施できる化学療法の制限

保険診療では腹膜播種に対して使用できる抗がん剤の数に制限があります。

腹膜播種を発症させる元々のがん細胞のタイプに合わせて様々な抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを使い分けます。しかし、通常3~4種類程度しか有効な薬物療法はありません。

そのため、使用できる薬物を使い切った場合、もしくは体に合わない場合には、選択できる薬剤や治療はもう存在しないと医師から言われてしまいます。

また、1個の新しい抗がん剤などの薬物が開発されるまでには10~20年かかると言われているため、投与できる薬物療法には制限ができてしまいます。

保険診療ではカバーしきれない腹膜播種の再発

腹膜播種が発見され、手術によって病巣を切除した場合でも、がんの種類によっては再発率が30~70%に達することが報告されています。

そのため、手術単独では不十分であると考えられ、再発予防を目的として、術前化学療法および術後補助化学療法(いずれも抗がん剤治療)を組み合わせた治療戦略が推奨されることが一般的です。

しかしながら、抗がん剤治療にはさまざまな副作用が伴うため、高齢者や体力の低下した患者にとっては実施が困難となるケースもあります。さらに、腹膜播種の切除手術自体が大きな負担を伴うため、術後に著しく体力を消耗し、本来予定していた抗がん剤治療が継続できなくなることも少なくありません。

また、仮に術後補助化学療法が実施された場合であっても、腹膜播種は進行がんに分類されるため、再発リスクは依然として高い状態にあります。例えば胃がんでは、術後でも再発率が約50%にのぼるというデータも存在します。

このように、現在の国内保険診療の範囲内で提供できる治療では、腹膜播種に対する手術を行ったとしても、2人に1人が再発するという厳しい現実があるのです。

参考:
Risk Factors for Recurrence After Curative Conversion Surgery for Unresectable Gastric Cancer|ANTICANCER RESEARCH 35: 6183-6188 (2015)

化学療法の「きつい」副作用

腹膜播種に対する化学療法では、主に抗がん剤が使用されますが、その副作用は薬剤の種類や患者さんの体質によって大きく異なります。一般的にみられる副作用としては、吐き気、食欲不振、下痢、脱毛、手足のしびれ、倦怠感、発疹、貧血、高血圧などが挙げられます。これらの症状は個人差が大きく、軽度で済む方もいれば、日常生活に支障をきたすほど強く出る方もいます。

また、使用する薬剤によっては、まれに命に関わるような重篤な副作用や合併症が発生する可能性もあり、十分な注意が必要です。治療を開始した当初は問題なく受けられていたとしても、回を重ねるごとに副作用が蓄積し、継続が困難になる場合もあります。

さらに、化学療法の副作用が精神的な影響を及ぼすこともあります。頑張って治療を続けていても、副作用によって生活の質(QOL)が大きく低下し、気分の落ち込みや意欲の低下につながる患者さんも少なくありません。

最新の治療アプローチとして核酸医薬の導入

腹膜播種は、原発巣(胃・大腸・膵臓・卵巣など)によって病態が異なり、分子レベルの異常が関与することがあります。こうした背景から、患者様の状態や治療目的に応じて、核酸医薬を治療計画の一部として検討する考え方があります。核酸医薬には、標的タンパク質に結合して働きを抑えるアプタマー、特定の遺伝子発現を抑えるRNA干渉、体内の抑制機構を補うmiRNA mimic などがあります。

海外では「がんの部位」ではなく「分子レベルの情報」で治療を決定

特に欧米では、がんの種類(胃がん・大腸がん・膵がん・卵巣がんなど)ではなく、どのような分子レベルの情報があるかを重視して治療法を選ぶという考え方が主流になりつつあります。

このような治療法は「がんゲノム医療」や「プレシジョン・メディシン(個別化医療)」と呼ばれ、さまざまな臨床試験が世界中で進行中です。腹膜播種の原因となる分子レベルの情報に対しても、個別に効果的な治療薬や治療方法が検討されています。

日本の現状と今後の展望

日本でも近年、がん遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング)や、特定の分子レベルの情報対応する分子標的薬が一部保険適用化されるなど、少しずつ普及が進んでいます。しかしながら、欧米に比べると臨床現場への導入は遅れているのが現状です。

がん中央クリニックグループでは、いち早く分子レベルの情報に基づく個別化診療を導入し、腹膜播種を含むさまざまながんに対して柔軟な治療を提供しています。

がん中央クリニックグループのクリニックでは、患者様の状態に合わせて行う様々ながん治療を提供しております。是非一度ご相談ください。

保険診療では「治療方法がない」方も治療可能

腹膜播種に対する核酸医薬は保険診療ではなく自由診療(保険外診療)であり、保険診療ではもう治療方法がない、と言われた患者様でも実施できます。

がん中央クリニックグループでは患者様1人ひとりに合わせてテーラーメイドのがん治療を提供します。

保険診療と組み合わせた治療設計

核酸医薬は、標準治療(保険診療)と組み合わせて検討し得る治療アプローチの一つです。

標準治療の薬物療法は、すでに産生された細胞やタンパク質の働きを抑えることで治療効果を狙います。一方、核酸医薬は、タンパク質が作られる前段階の遺伝子発現や分子レベルの制御機構に働きかけることを狙う点が特徴です。作用点の考え方が異なるため、当院では患者様の状況に応じて、標準治療と組み合わせた治療設計も含めてご提案しています。

治療継続可能な副作用

核酸医薬は目立った副作用が起こりにくいです。特に、化学療法で起きやすい嘔気、食欲不振、倦怠感、脱毛、貧血、命に関わる副作用などはほとんど起こりません。

核酸医薬の副作用としては、一時的な微熱、血圧上昇、顔の紅潮、アレルギー反応(0.3%以下)などがあります。解熱剤など薬物を使う場合もありますが、自然と改善する副作用が大半であり、治療を継続するのに支障をきたしません。

核酸医薬をオススメする患者様

どのような患者様に効果が期待できるのかを以下に具体的に解説します。ぜひご自身のパターンに合わせてご検討ください。

腹膜播種に対して薬物治療中や放射線療法中の患者様

核酸医薬は、抗がん剤治療などの薬物治療や放射線療法などの標準治療を行っている患者様でも、治療の選択肢を広げる観点から併用を含めてご相談いただける治療アプローチの一つです。
がんは放置すると進行するため、状況に応じて作用点の異なる治療手段を組み合わせ、腫瘍の縮小を目指していくことが重要です。

腹膜播種手術後のすべての患者様

腹膜播種に対して、術前化学療法や術後補助化学療法を組み合わせて手術を行った場合でも、がんの種類によっては再発率が約50%にのぼると報告されています。つまり、抗がん剤治療を受けたとしても2人に1人が再発するリスクがあるのが現状です。

さらに、抗がん剤には吐き気や倦怠感などの副作用があるため、体力の低い高齢者や副作用に不安を感じる方には治療の継続が難しい場合もあります。

このような患者様にも、状態や目的に応じて核酸医薬を治療計画の一部として検討し、再発抑制も含めた治療設計を行うことが重要です。

保険治療では治療困難な患者様

腹膜播種に対する核酸医薬は、保険診療ではなく自由診療(保険外診療)として提供されているため、保険診療では「治療の選択肢がない」と言われた患者さんでも受けることが可能です。

がん中央クリニックグループでは、患者さん一人ひとりの遺伝子異常や体調に応じた「テーラーメイドのがん治療」を行っており、標準治療が難しい方にも対応しています。

この治療法の大きな特徴は、副作用がほとんど見られない点です。そのため、通院が可能であれば、体力が落ちている方や高齢の方でも無理なく受けていただけます。

また、通院が難しい方には、訪問診療による対応が可能な場合もあります。詳しいご相談や治療の可否については、下記の無料相談窓口までお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが丁寧に対応いたします。

腹膜播種の寛解を目指して保険診療と患者様に合った自由診療を組み合わせるのがおすすめ

腹膜播種は、適切な治療を行うことで寛解を目指すことが可能な疾患です。そのためには、がんの進行状況や体調に応じた柔軟な治療戦略の選択が重要です。

中でも近年注目されているのが、がんの発生原因のひとつとされる分子レベルの異常に着目した治療法です。

また、保険診療だけでは対応が難しいケースでも、核酸医薬を取り入れることで新たな治療の選択肢が広がる場合があります。

がん中央クリニックグループでは、核酸医薬をはじめとした患者様一人ひとりの状態に合わせた自由診療プランをご提案しています。標準治療が難しいと感じている方や、他の医療機関で治療の選択肢が限られていると伝えられた方も、ぜひ一度ご相談ください。

腹膜播種の患者様が前向きに治療へ臨めるよう、専門スタッフが丁寧にサポートいたします。どのようなご状況でも、まずはお気軽にお問い合わせください。

  • HER2低発現・超低発現のがん患者さまに、新たな治療の選択肢が広がる
  • トリプルネガティブというワードが無くなる可能性
  • 分子標的ワクチン療法の可能性が拡大

HER2は乳がんと胃がんでは有名ですが、非小細胞肺がん、大腸がんでも認可されました。

従来はHER2が陽性、陰性の2通りに分けていたのですが、エンハーツと呼ばれる抗HER2抗体が、陰性でも認可されたことでHER2に関する考え方が大きく変わり、従来は陰性、陽性の分け方だったのが、HER2低発現という分類が出現しました。

さらに1+未満の超低発現の乳がんでもアメリカのFDAで認可されたことを、第一三共株式会社2025年1月28 日にプレスリリースしたことが大きな話題となりました。

ENHERTU®(トラスツズマブ デルクステカン)の米国における化学療法未治療のHER2低発現またはHER2超低発現の乳がんに係る一部変更承認取得について
第一三共株式会社 ※リンク先のプレスリリースはPDF形式のため、ご利用の環境によってはダウンロードが必要となる場合があります。

HER2低発現という分類が出現

これによりトリプルネガティブというワードが無くなる可能性すら出て来ています。

アメリカのFDAではすべてのがん種でHER2抗体がFDA認可された

アメリカの治験では胆道がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん(子宮体がん)、卵巣がん、膵臓がん、非小細胞肺がん、大腸がん、希少がんなどのがんで抗HER2抗体が高い効果が得られた結果、アメリカのFDAではがん種を問わずにすべてのがん種でHER2抗体がFDA認可されたことでどんながんでも分子標的ワクチン療法をやることががん治療を大きく変える治療と期待しています。

がん中央クリニックグループでは、HER2が発現しているがん細胞を免疫細胞が攻撃するように仕向ける分子標的ワクチン療法を提供しています。

分子標的ワクチン療法の詳細は下記リンクよりご覧いただけます。