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主要ながん 2026.2.20

印環細胞がんについて解説。初期症状は?完治は可能なのか。

印環細胞がん(signet-ring cell carcinoma/SRCC)は、胃がんの中でも特徴的な病理型のひとつで、細胞内の粘液(ムチン)によって顕微鏡で印環状に見えることが名前の由来です。胃がん全体の約10%を占めるとされ、若年層や女性に多い傾向も報告されています。進行するとスキルス胃がんの形態をとることがあり、胃部不快感、腹痛、食欲低下、体重減少、貧血などをきっかけに見つかる場合もあります。

本ページでは、印環細胞がんの特徴や原因、症状、検査(胃カメラ・生検・画像検査)、そして治療の選択肢についてわかりやすく解説します。治療を検討されている方やご家族が、いまの状況に合う選択肢を整理し、納得のいく方針を考えるための一助となれば幸いです。

  • 胃がんの中でも、少し特殊なタイプ(胃がんの約10%)
  • 胃カメラで疑う部分を見つけ、組織を取って調べて確定する
  • 見つかった後はCTなどで広がりを確認し、治療の方針を決めていく

印環細胞がんとは

印環細胞がん( 印環細胞癌、signet-ring cell carcinoma/SRCC)は、胃にできる悪性腫瘍(胃がん)の中でも特徴的な病理型の1つに分類され、胃がん全体の約10%を占めると言われています。

細胞内に多量の粘液(ムチン)を含むことで核が細胞の辺縁に押しやられ、顕微鏡下で指輪(印環)状に見える構造をしています。胃以外にも、大腸や肺など他の臓器にも印環細胞がんが発生することがあります。

発症年齢は一般的な胃がんと比べて比較的若年層や女性に多い傾向があり、発生部位は胃体部から幽門部にかけてみられることが多いとされています。病変が進行すると、胃壁全体が硬く厚くなる「スキルス胃がん」の形態をとることもあります。病変が大きくなるにつれて、胃部不快感、腹痛、食欲低下、体重減少、貧血などの症状が出現し、検査をきっかけに発見される場合もあります。

胃印環細胞がんは、リンパ節転移や腹膜播種を起こしやすい傾向があるため、早期発見と手術・化学療法を組み合わせた集学的治療が重要です。

胃印環細胞がんの予後は病期により大きく変わります。リンパ節転移や遠隔転移を伴わない早期胃がんでは、5年生存率は一般に95%以上と報告されており、良好な予後が期待できます。一方で、進行例では5年生存率はおおよそ30〜40%程度に低下し予後不良とされています。

参考:
Signet-ring cell carcinoma of the stomach: Impact on prognosis and specific therapeutic challenge|PubMed Central(PMC)
Effect of double-layer structure in intramucosal gastric signet ring cell carcinoma on lymph node metastasis: a retrospective, single-center study|京都大学学術情報リポジトリ KURENAI
胃印環細胞癌の臨床病理学的検討|CiNii Research
Molecular profiling of signet-ring-cell carcinoma (SRCC) from the stomach and colon reveals potential new therapeutic targets|Oncogene(Nature Portfolio)

印環細胞がんの原因

印環細胞がんは、なぜ発症するのかがまだ完全には分かっていないがんです。ただし、これまでの研究から、発症の原因の1つに遺伝(生まれつきの体質)が関与していると報告されています。

特にCDH1遺伝子に異常があると、細胞同士の結びつきが弱くなり、印環細胞がんができやすくなることが知られています。その他にも遺伝子異常によって印環細胞がんを含む胃癌が発生することが分かっています。

印環細胞がんの診断

印環細胞がんは、画像検査、病理検査などを組み合わせて診断します。

診断で最も重要なのが、胃カメラ(内視鏡検査)です。胃カメラでは、胃の中を直接観察し、粘膜の色調や形、硬さなどの変化を詳しく調べます。

内視鏡検査中に異常が疑われる部分が見つかった場合には、その場で組織の一部を採取します。これは生検と呼ばれ、採取した組織を顕微鏡で詳しく調べることで、印環細胞がんかどうかを確定します。細胞の中に粘液がたまり、核が端に押しやられた特徴的な形が確認されると、印環細胞がんと診断されます。この病理検査が、診断を確定するための最も重要な検査です。

がんと診断された後は、病変がどこまで広がっているかを調べるために画像検査が行われます。CT検査などによって、胃の周囲のリンパ節や他の臓器への転移がないかを確認し、必要に応じて腹膜への広がりや腹水の有無も調べます。これらの結果をもとに、がんの進行度である病期(ステージ)が決定され、治療方針が検討されます。

このように、印環細胞がんは診断が難しいがんであるため、血液検査や画像検査、病理診断を組み合わせた丁寧な検査が必要となります。患者様の状態によって実施すべき検査が異なりますので、具体的には消化器外科や腫瘍内科など専門の先生と相談して検査内容や種類を決定していくのがおすすめです。

印環細胞がんの一般的な治療法

胃の印環細胞がんの治療は、がんの進行度(ステージ)や患者さんの全身状態に応じて決定されます。治療の中心となるのは、手術と抗がん剤治療を組み合わせた「集学的治療」です。

がんが胃の粘膜や粘膜下層にとどまっている早期の段階では、手術によってがんを完全に取り除くことで、治癒が期待できます。がんが胃の壁の深い部分まで及んでいる場合や、リンパ節転移の可能性がある場合には、外科手術が治療の中心となります。手術では、がんのある胃の一部、または全体を切除し、周囲のリンパ節もあわせて取り除きます。これにより、目に見えないがんの広がりも含めて治療することを目指します。

進行した印環細胞がんでは、手術だけでなく抗がん剤治療を併用することが一般的です。手術の前に抗がん剤を使用してがんを小さくする場合や、手術後に再発を防ぐ目的で抗がん剤を使用する場合があります。抗がん剤は、体内に残っている可能性のあるがん細胞を抑える役割を果たします。

一方で、腹膜播種や遠隔転移がある場合には、手術による根治が難しいこともあります。その場合は、抗がん剤治療が治療の中心となり、がんの進行を抑えながら症状の改善や生活の質を保つことを目的とした治療が行われます。

印環細胞がんにおける保険診療の限界

印環細胞がんに対する保険診療には、化学療法や手術、放射線療法などがあります。手術法の発達や化学療法・放射線療法の進歩といった医療界の発展により印環細胞がんの治療法が発展してきましたが、保険診療では治療が困難な場合もあります。

実施できる化学療法の制限

保険診療では印環細胞がんで使用できる抗がん剤の数に制限があります。

印環細胞がんではがん細胞のタイプに合わせて様々な抗がん剤を使い分けます。しかし、個人差はありますが通常3~4種類程度しか有効な薬物療法(レジメン)はありません。

そのため、使用できる薬物を使い切った場合、もしくは体に合わない場合には、選択できる薬剤や治療はもう存在しないと医師から言われてしまいます。

また、1個の新しい抗がん剤などの薬物が開発されるまでには10~20年かかると言われているため、治療中に新規抗がん剤が市場に出現することは稀と言えるでしょう。

化学療法の「きつい」副作用

印環細胞がんの化学療法では抗がん剤などを用いますが、その副作用は抗がん剤の種類や患者様により個人差があります。抗がん剤などの一般的な副作用は、嘔気、食欲不振、下痢、手足のしびれ、倦怠感、発疹、貧血、高血圧、脱毛などです。また、使用する薬物療法の種類によっては、命に関わる合併症や副作用が起きるケースもあり、注意が必要です。

患者様の中には、最初は問題なくても副作用がきつく続けられないと感じる方もいらっしゃいます。また、頑張って化学療法を続けていても副作用のせいで日常生活が楽しく送れずに気分が落ち込む患者様もいらっしゃいます。

保険診療ではカバーしきれない印環細胞がんの再発

印環細胞がんを含む胃癌は、再発率が高い腫瘍であるため、手術前後に抗がん剤が用いられることが多いです。進行胃がんにおいて手術のみでの治療した場合は、3年間での無再発率は約60%でしたが、抗がん剤を併用することで、約75%にまで向上しました。

しかし、4人に1人の方はいまだに再発して命を落とすリスクがあるとも言えます。

また、抗がん剤治療はつらい副作用もあるため、体力があまり無い高齢の患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。

参考:海外で行われたCLASSIC試験・国内で行われたJ-CLASSIC-PII試験および胃癌術後補助化学療法におけるオキサリプラチン併用療法に関する日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント|日本胃癌学会

がんの性質に直接アプローチする「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」がおすすめ

近年、発症や進行に関わる分子レベルの異常に着目した核酸医薬が注目され、研究・臨床応用が進んでいます。

がん中央クリニックグループでは、根本的な原因に直接作用することが期待される「アプタマー」「RNA干渉を利用した核酸医薬(siRNA など)」「miR-34a mimic」といった核酸医薬を、新たな治療の選択肢として提供しています。

アプタマー核酸医薬は、がんに特有に発現している異常なタンパク質に結合することで、その働きを抑えてがん細胞の増殖を抑制したり死滅させたりする次世代の治療薬です。

miR-34a mimic 核酸医薬は、がんになって失われた体に本来備わる「がんを抑える力」を取り戻す新しい治療薬であり、がんの成長や増殖を止め、自然ながん細胞の死滅を促します。

以上のような遺伝子レベルでの最新の治療薬をがん中央クリニックグループのクリニックでは実施できます。

欧米では、がんの部位ではなくどのような遺伝子やタンパク質異常があるか、ということに注目して治療法を決定する研究や臨床試験が行われています。日本では一部の遺伝子レベルの治療を保険でも行われていますが、国際的には遺伝子レベルの治療において遅れを取っています。

がん中央クリニックグループのクリニックではいち早く遺伝子レベルの異常に焦点をあてた診察、治療を導入しています。

「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」治療をオススメする患者様

「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は印環細胞がんのほとんどの患者様におすすめできる治療法です。

どのような患者様に効果が期待できるのかを以下に具体的に解説します。ぜひご自身のパターンに合わせて治療をご検討ください。

治療方法がない、標準治療では治療困難な患者様へ

印環細胞がんでは、病状や体力、副作用などの理由で、保険診療の標準治療だけでは選択肢が限られることがあります。そうした場合でも、がんに関わる分子レベルの異常に着目する核酸医薬は、標準治療とは異なるアプローチで治療を提供することが可能です。

核酸医薬(アプタマー、miR-34a mimic)は目立った副作用が現れにくく、「体力がないため抗がん剤はできません」などと説明された方でも、治療の提案が可能です。

さらに、まだ治療ができる体力があるにもかかわらず選択肢がなくなり、緩和を勧められている方にとっても、新たな治療の選択肢として検討いただけます。

がん中央クリニックグループでは、核酸医薬を含め、様々な治療を組み合わせながら患者様の状態や疾患に応じて、患者様一人ひとりに合わせたテーラーメイドのがん治療を提案、提供しています。

保険診療(標準治療)との併用で相乗効果が期待

「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は、印環細胞がんへの化学療法などの薬物療法や放射線療法と併用でき、治療効果として相乗効果が期待できます。

なぜなら、化学療法は産生された印環細胞がんの細胞やたんぱく質に作用しますが、「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は、がん細胞やたんぱく質が産生される前段階に作用するため、印環細胞がんの細胞に対して作用するポイントが異なるからです。

そのため、「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は、抗がん剤治療などの薬物治療や放射線療法といった標準治療を行っている患者様におすすめできる治療法です。印環細胞がんの症例では、手術前や手術後も抗がん剤治療を行う場合がありますが、そのような患者様にもおすすめできます。

がんは放置していると大きくなっていくため、印環細胞がんでは様々な治療法を組み合わせてがんを小さくすることが重要です。標準治療に加えて「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を併用することで、異なる治療手段から印環細胞がんの縮小を目指せます。

印環細胞がんは胃がんの中でも悪性度が極めて高いと言われています。そのため、完治を目指すためには様々な治療法を組み合わせて治療を行うことが重要です。

再発を抑制、防止するため。手術前後のすべての患者様

印環細胞がんが発見され手術を行った場合、3年以内に40%の患者様が再発すると報告されています。

保険診療ではこの高確率での再発を抑制させるため、術前化学療法や術後補助化学療法という抗がん剤治療が勧められるケースが多いです。しかし、特に抗がん剤治療には副作用もあるため、体力があまり無い高齢の患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。

また、抗がん剤治療を併用しても4人に1人の方はいまだに再発するリスクがあります。したがって、印環細胞がん手術前後のあらゆる患者様は「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を併用し、再発する可能性を少しでも低くすることが重要と言えます。

治療継続可能な副作用

「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」には目立った副作用が起こりにくいです。特に、化学療法で起きやすい嘔気、食欲不振、倦怠感、脱毛、貧血、命に関わる副作用などはほとんど起こりません。また、ホルモン治療でものぼせや発汗、血栓症などのリスクがあります。 遺伝子治療の副作用としては、一時的な微熱、頭痛、アレルギー反応(0.3%以下)などがあります。解熱鎮痛剤など薬物を使う場合もありますが、自然と改善する副作用が大半であり、治療を継続するのに支障をきたしません。

「体力面や仕事面で副作用の不安がある」「標準治療をを続けながら副作用をできるかぎり抑えたい」といった方でも受けていただける治療となっております。

印環細胞がんの完治を目指して保険診療と患者様に合った自由診療を組み合わせるのがおすすめ

印環細胞がんは完治(治癒)を目指せる疾患であり、適切に治療を行うことが重要です。

印環細胞がんの発症要因の1つとして遺伝子異常があるため、保険診療と「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を組み合わせることがおすすめです。保険診療ではカバーできない場合にも、「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を行うことで腫瘍縮小効果や再発抑制効果などが期待できます。

がん中央クリニックグループのクリニックではこのような「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」をはじめ、患者様1人ひとりに合ったがんの自由診療を提案いたします。印環細胞がんの患者様は、どのような状況の場合でも是非お気軽にご相談ください。

がん情報サポートサイト編集部

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