小細胞肺癌(small cell lung cancer/SCLC)は、肺がんの中でも増殖スピードが特に速く、肺癌全体の約10〜15%を占めるタイプです。
喫煙との関連が非常に強く、60歳以上の喫煙者に多い疾患です。早期にはほとんど症状が出ませんが、進行すると長引く咳、血痰、胸の痛み、息切れ、声のかすれ、体重減少などをきっかけに見つかることがあります。
抗がん剤や放射線が効きやすい一方で再発しやすいという特徴があり、治療方針の選択が重要になります。
本ページでは、小細胞肺癌の特徴や原因、症状、診断(画像検査・病理検査)、そして治療の選択肢についてわかりやすく解説します。治療を検討されている方やご家族が、いまの状況に合う選択肢を整理し、納得のいく方針を考えるための一助となれば幸いです。
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- 増殖スピードが非常に速く、診断時には他臓器へ転移していることが多い
- 抗がん剤や放射線が効きやすいが、再発しやすいのが治療上の課題
- 喫煙との関連が極めて強く、患者さんの約95%が喫煙歴を持つ
小細胞肺癌とは

小細胞肺癌(small cell lung cancer/SCLC)は、肺にできるがんの一種で、肺癌全体の約10〜15%を占めるタイプの肺がんです。増殖スピードが非常に速く、発見時にはすでに他の臓器へ転移していることも多いです。好発年齢は60歳以上であり喫煙者に多い傾向があります。
一方で、抗がん剤などの薬物が効きやすいという特徴もあります。 ただし、治療によって一時的には腫瘍が縮小するものの、再度増殖する力が強いです。そのため、がん細胞が残存していると短期間で再燃する恐れがあるため、慎重な経過観察が必要です。
小細胞肺癌は、初期の段階ではほとんど症状がありません。がんが進行すると、 長引く咳 、血痰(血の混じった痰) 、胸水による呼吸困難 、胸の痛み 、声のかすれ 、体重減少、全身倦怠感などの症状が出現します。
小細胞肺癌の原因
小細胞肺癌の発生メカニズムは完全には解明されていませんが、 喫煙(タバコ)との関連が非常に強いことが、多くの研究で示されています。
実際、小細胞肺癌の患者さんの約95%以上が現在または過去に喫煙歴を有すると報告されており、肺癌の中でも特に喫煙との関連が強いタイプです。また、喫煙量(本数や年数)が多いほど発症リスクが高くなることも明らかになっています。
遺伝子レベルでは、細胞の増殖を抑える働きをもつTP53遺伝子やRB1遺伝子、MYC遺伝子、PTEN遺伝子の異常が確認されています。これらの遺伝子が正常に機能しなくなることで、細胞の増殖制御が失われ、がんが急速に進行すると考えられています。
小細胞肺癌の診断
小細胞肺癌は、画像検査と病理検査を主に用いて診断します。
画像検査では、まず胸部レントゲン検査やCT検査で腫瘍の大きさや広がりを把握します。小細胞肺癌は発見時にすでに転移を来していることが多く、初診時点での遠隔転移の頻度は約60%以上に上ります。
こうした背景から、PET-CT検査や頭部MRI検査を用いた全身評価が欠かせません。転移の有無を初期段階できちんと確認しておくことが、その後の治療方針に直結します。
病理検査では、気管支鏡などを介して組織を採取し、顕微鏡で観察します。小細胞肺癌は腫瘍細胞が小さく形態的な特徴がはっきりしている組織型です。さらに免疫染色を組み合わせることで、他の肺がんや類似した疾患との鑑別精度を高めることができます。
遺伝子検査については、肺腺がんで行われるEGFRやMETといった遺伝子変異の検索は、現時点では小細胞肺癌の標準診療には含まれていません。ただし、PD-L1発現などの解析が研究目的で行われるケースはあります。
小細胞肺癌の一般的な治療法
小細胞肺癌の治療方針は、がんの病期(ステージ)と患者さんの全身状態を踏まえ、医師と患者さんが相談しながら決めていきます。
判断の出発点になるのが、がんが「胸の中に留まっているか(限局型)」「体の広い範囲に及んでいるか(進展型)」という分類です。
限局型であれば放射線で局所を集中的に狙えますが、進展型では全身に薬を届ける薬物療法が主体になります。この違いによって治療の組み立て方が大きく変わります。
小細胞肺癌は抗がん剤や放射線がよく効くという特徴がある一方、その効果が長続きしにくく再発しやすいことが、治療上の大きな課題です。
限局型の場合
胸の中にとどまっている限局型には、抗がん剤と放射線を同時に行う「化学放射線療法」が標準的な治療です。
具体的には、シスプラチンやカルボプラチンといったプラチナ製剤にエトポシドを組み合わせたレジメンが広く使われており、限局型に対する奏効率は70〜90%と高い水準にあります。
リンパ節転移のないⅠ期などの早期に発見された場合は原発を切除する手術が推奨されますが、小細胞肺癌は進行が速く診断時にはすでに広がっていることが多いため、手術の適応になる症例はごく一部にとどまります。
手術を実施したとしても、そこで治療は完結しません。目に見えない微小な転移が体内に残っている可能性が高いため、どの患者さんにも術後に抗がん剤治療(プラチナ製剤+エトポシド)を行うことが推奨されています。
しかし、小細胞肺癌の本質的な問題として、手術や抗がん剤治療をした治療後2年以内に約90%の患者が再発するという現実があります。再発した場合はほぼ全例で血液を介した全身への転移であり、局所にとどまらないのが特徴です。そのため手術後も定期的な検査による経過観察が非常に重要です。
進展型・再発の場合
肺の外に広がっている進展型や再発後は、薬物療法が治療の中心になります。
プラチナ製剤+エトポシドに加え、近年は免疫チェックポイント阻害薬(免疫療法)を併用するのが標準的な治療となっています。
進展型に対する初回化学療法の奏効率は60〜65%と決して低くはありませんが、20年以上にわたって大きな予後改善が得られていないのが現状です。多くの症例で治療への反応は一時的にとどまり、再発後は薬が効きにくくなるという課題が残っています。
Lung Cancer Recurrence: What to Look For | Lung Cancer
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放射線治療の役割
放射線治療は小細胞肺癌の治療全体を通じて重要な役割を果たしています。限局型では化学療法と組み合わせて根治を目指します。
脳転移を来しやすいという特性から、予防目的での全脳照射が選択されることもあります。さらに骨転移による痛みなどの症状を和らげ、生活の質(QOL)を保つための緩和的照射としても広く活用されています。
小細胞肺癌における保険診療の限界
小細胞肺癌に対する保険診療では、化学療法、免疫療法、放射線療法などが行われます。
小細胞肺癌は、抗がん剤や放射線が効きやすい一方で再発しやすいことが特徴です。そのため、 標準的な治療だけでは、安定した状態を維持することが難しい場合もあります。
実施できる化学療法の限界
小細胞肺癌では、初回治療として行われるプラチナ製剤+エトポシドなどの化学療法に対し、腫瘍が縮小する割合は約60〜70%と比較的高いことが報告されています。しかしその一方で、多くの症例で数か月程度で再発し、再発後は抗がん剤が効きにくくなる(耐性)ことが大きな問題です。
化学療法に伴う「きつい」副作用
小細胞肺癌の薬物療法では、副作用がみられることがあります。プラチナ製剤を含む抗がん剤では、食欲不振、吐き気・嘔吐、倦怠感などといった症状のほか、白血球減少による感染リスクの上昇などが現れやすいため注意が必要です。また、病院への頻回な通院負担もあります。
また、免疫療法では、間質性肺炎や大腸炎、甲状腺機能異常などの副作用が出ることがあります。そのため、特に高齢の方や持病がある場合は、副作用の影響を考慮し、治療効果と生活の質のバランスを見ながら進めることが非常に重要です。
保険診療ではカバーしきれない再発・進行のリスク
小細胞肺癌は、初期治療に良好に反応した場合でも再発しやすいがんです。
限局型小細胞肺癌に対して、手術や抗がん剤治療をしても治療後2年以内に約90%の患者が再発すると報告されています。そのため治療後も定期的な画像検査(CT検査やMRI検査など)による評価と経過観察を慎重に行うことが重要です。
小細胞肺癌で重要な治療の考え方
小細胞肺癌では、治療方針を決定するのに重要なことの1つが、「遺伝子異常の有無を調べること」と「免疫療法の適応を評価すること」です。特にTP53遺伝子やRB1遺伝子、MYC遺伝子、PTEN遺伝子の異常は小細胞肺癌で比較的高頻度とされ、標的治療の候補となりえます。
また、小細胞肺癌ではPD-L1高発現例が見られることが報告されており、免疫チェックポイント阻害薬が有効となる可能性があります。ただし、すべての症例で有効とは限らず、遺伝子異常、全身状態、腫瘍量などを総合して判断する必要があります。
がん中央クリニックでは、このPD-L1に対して外側からの無力化と内側からのmRNA分解を同時に行う「ハイブリッド免疫療法」も提供しています。
がんの性質に合わせてアプローチする「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」
近年、発症や進行に関わる分子レベルの異常に着目した核酸医薬が注目され、研究・臨床応用が進んでいます。
その中でも特に当院では、根本的な原因に直接作用することが期待される「アプタマー」「RNA干渉を利用した核酸医薬(siRNA など)」「miR-34a mimic」といった核酸医薬を、新たな治療の選択肢として提供しています。
アプタマー核酸医薬は、がんに特有に発現している異常なタンパク質に結合することで、その働きを抑えてがん細胞の増殖を抑制したり死滅させたりする次世代の治療薬です。
miR-34a mimic 核酸医薬は、がんになって失われた体に本来備わる「がんを抑える力」を取り戻す新しい治療薬であり、がんの成長や増殖を止め、自然ながん細胞の死滅を促します。
以上のような遺伝子レベルでの治療薬をがん中央クリニックグループのクリニックでは実施できます。
欧米では、がんの部位ではなくどのような遺伝子やタンパク質異常があるか、ということに注目して治療法を決定する研究や臨床試験が行われています。日本では一部の遺伝子レベルの治療が保険でも行われていますが、国際的には遺伝子レベルの治療において遅れを取っています。
がん中央クリニックグループのクリニックではいち早く遺伝子レベルの異常に焦点をあてた診察・治療を導入しています。
「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」治療を推奨する患者様
「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」は小細胞肺癌のほとんどの患者様におすすめできる治療法です。
どのような患者様に効果が期待できるのかを以下に具体的に解説します。ぜひご自身のパターンに合わせてご検討ください。
治療方法がない、標準治療では治療困難な患者様へ
小細胞肺癌では、病状や体力、副作用などの理由で、保険診療の標準治療だけでは選択肢が限られることがあります。そうした場合でも、がんに関わる分子レベルの異常に着目する核酸医薬は、標準治療とは異なるアプローチで治療を提供することが可能です。
核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)は目立った副作用が現れにくく、「体力がないため抗がん剤はできません」などと説明された方でも、治療の提案が可能です。
さらに、まだ治療ができる体力があるにもかかわらず選択肢がなくなり、緩和を勧められている方にとっても、新たな治療の選択肢として検討いただけます。
がん中央クリニックグループでは、核酸医薬を含め、様々な治療を組み合わせながら患者様の状態や疾患に応じて、患者様一人ひとりに合わせたテーラーメイドの核酸医薬による治療を提案、提供しています。
保険診療(標準治療)との併用で相乗効果が期待
核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)は、小細胞肺癌への化学療法などの薬物療法や放射線療法と併用でき、治療効果として相乗効果が期待できます。
なぜなら、化学療法は産生された小細胞肺癌の細胞やたんぱく質に作用しますが、核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)は、がん細胞やたんぱく質が産生される前段階に作用するため、小細胞肺癌の細胞に対して作用するポイントが異なるからです。
そのため、核酸医薬(アプタマー・miR-34a mimic)は、抗がん剤治療などの薬物治療や放射線療法といった標準治療を行っている患者様におすすめできる治療法です。小細胞肺癌の症例では、手術前や手術後も抗がん剤治療を行う場合がありますが、そのような患者様にもおすすめできます。
がんは放置していると大きくなっていくため、小細胞肺癌では様々な治療法を組み合わせてがんを小さくすることが重要です。標準治療に加えて「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を併用することで、異なる治療手段から小細胞肺癌の縮小が期待できます。
小細胞肺癌は肺がんの中でも再発頻度が高いと言われています。そのため、完治を目指すためには様々な治療法を組み合わせて治療を行い生存率を高めることが重要です。
再発を抑制、防止するため。手術前後のすべての患者様
小細胞肺癌が発見され手術を行った場合も術後の再発率が高いと報告されています。
保険診療ではこの高確率での再発予防目的に、術後補助化学療法という抗がん剤治療が勧められるケースがあります。しかし、抗がん剤治療には副作用もあるため、体力があまり無い高齢の患者様や副作用が心配な患者様には実施できません。
したがって、小細胞肺癌手術前後のあらゆる患者様は「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」を併用し、再発する可能性を少しでも低くすることが重要と言えます。
治療継続可能な副作用
「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」には目立った副作用が起こりにくいです。特に、化学療法で起きやすい嘔気、食欲不振、倦怠感、脱毛、貧血、命に関わる副作用などはほとんど起こりません。副作用としては、一時的な微熱、頭痛、アレルギー反応(0.3%以下)などがあります。解熱鎮痛剤など薬物を使う場合もありますが、自然と改善する副作用が大半であり、治療を継続するのに支障をきたしません。
「体力面や仕事面で副作用の不安がある」「標準治療を続けながら副作用をできるかぎり抑えたい」といった方でも受けていただける治療となっております。
小細胞肺癌の完治を目指して保険診療と患者様に合った自由診療を組み合わせるのがおすすめ
小細胞肺癌は予後不良のがんと言われますが、完治(治癒)を目指せる疾患であり、適切に治療を行うことが重要です。
小細胞肺癌の発症要因の1つとして遺伝子異常があるため、保険診療と核酸医薬を組み合わせることがおすすめです。保険診療ではカバーできない場合には、当グループの核酸医薬による治療を行うことで腫瘍縮小効果や再発抑制効果などが期待できます。
がん中央クリニックグループのクリニックではこのような「アプタマー核酸医薬」や「miR-34a mimic 核酸医薬」をはじめ、患者様1人ひとりに合ったがんの自由診療を提案いたします。小細胞肺癌の患者様は、どのような状況の場合でも是非お気軽にご相談ください。



